第3章 リーザス陥落
第104話 魔王ジル
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「……行くぞ。前衛以外は、絶対に前に出てくるな。防御に徹しろ!」
そして そう言うのと同時に。
「行くぞ!!」
「おう!」
「ああ!」
「承知!」
解放軍の4強。最大戦力が前へと突き進み。
「私達も行くわよ。……絶対、勝って帰る。絶対に!」
「勿論よ。志津香。……私達なら絶対勝てます。絶対に」
まるで自分自身に言い聞かせる様に、女性陣の先頭を立つ2人の少女。志津香とかなみが続いて駆け出し。
「ここでも躊躇なし、か……。まぁ ここまで来た私も大概だけどな」
「此処から帰る事ができりゃ、浴びる程酒呑んで、盛大に酔っぱらおうぜ! 嫌がるフェリスを思いっきり抱きしめる方法、それくらいしか思い浮かばねぇからよ」
「ふっふっふ〜 そこは私も混ぜてもらおうかしらねん? 色々と請求もしようかしらぁー」
フェリスを初め、地に伏しかけていた彼女達も立ち上がる。まるで息を吹き返す様に。何事もなかったかの様に。
「絶対に死なせません。必ず治します」
「は、はいっ! 私達には神がついてくれています……!」
クルック―とセルの2人も地にしっかり足を付けて、決意を胸に駆け出した。
この先に待ち構えるのは――人類史上最も凶悪とされる魔王。
『ジル』
それはユーリ達と魔人が相対する数分前の事だった。
「ら、ランス様。部屋に到着しました。何かありますよ」
「ようやく鬱陶しい光がなくなったな」
「ダーリンっ! リアの裸みて〜 どう? どう?? 綺麗でしょ? 興奮シチャウでしょ?」
光の道を抜けたランス達はついに封印の間に到着した。
如何にもな雰囲気は 無頓着なランスにも十分判る程であり、その中空には鎖でがんじらがまらめにされた一本の剣がある。
「これが恐らくカオスでしょう……」
「封印されてますね。結界の先で更に封印……と言う事は、余程危ないものなのでしょうか?」
「その認識が正しいかと。伝承では使うに値する者でなくば、手にする事さえ禁忌とされています」
マリスの説明に一気に表情が引き攣ってしまうシィル。
剣を確認しようと、一歩近づいてしまった事を内心後悔していた。
「なんだそれ。罠でも仕掛けられてるとでもいうのか?」
「ふふっ、ダーリンなら楽勝よ」
「がははははは! ま、オレ様が最強だからな! だがしかし…… カオスとやらの正体が、ただの剣だったとは」
忘れそうになるが、ランスは当初 『カオス』の事を美少女? ではないかと言っており、今でもそれを覚えていた様だ。変な所で記憶力が良いのはいつもの仕様である。
「伝承には、カオスは禍をも運んでくる……とあ
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