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記憶にない方が
第一章
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驚いた。
「僕に僕のことを聞きに来たんだよね」
「それは」
「わかるよ、何となく」
 呆けた感じの声だったがその通りだった。
「僕は」
「・・・・・・・・・」
「じゃあ話すね」
 返答に窮した坂口にさらに言ってきた、ペースは完全に彼のものになっていた。
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