二章 ペンフィールドのホムンクルス
17話 望月麗(7)
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圧倒的な数に対して、中隊は僅か数百人をローテーションで回すだけ。
この闘争は、危ういバランスの上で成り立っていた。
そのギリギリのバランスで、終わりの見えない不毛な闘争を続けるしか選択肢がなかった。
今までは。
桜井優。
その存在が確認された時、何故か両親の事を思い出した。
自らの命と引き換えに、新たな命を選択した母。
自ら危険な護衛艦に乗り込み、国を守ろうとした父。
そして、思った。
桜井優の存在は、闘争を終わりに導くのではないか、と。
闘争が未だに終わらないのは、亡霊との戦力差が顕著すぎるからだ。
もし、男性ESP能力者と女性ESP能力者によって新たなESP能力者が産まれるのだとしたら、その戦力差は爆発的に縮まるだろう。
恋愛なんてどうでも良い。
欲しいのは結果だけ。
誰かが、真っ先に証明をするべきだと思った。
ならば、私が。
「先輩」
麗は意を決して、戦闘服の胸元に手をかけた。
「もう一度言います。私を、好きになってください」
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