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天国と地獄<中世ヨーロッパパロディー>
5 CantoTー 109
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お姉様とも一緒に住みたいわ。呼び戻してもよろしいかしら?」

_「でも、お父様がお許しにならないわ。」

_「お父様が?」

_「ええ。お父様は零杏をお屋敷へあげたくないのよ。」

_「なぜ?」

_「お父様は、零杏が悪魔族側に片寄ることを恐れてるのよ。すでに麗奈が悪魔族に引き取られているでしょう?」

_「つまり、お父様は、零杏お姉様は天使族であって欲しい、ということ?」

_「ええ。そういうことになるわね。」

_「でも、お姉様も一緒なら悪魔族(こちら)側にとっても一石二鳥なんじゃなくて?」

_「もし、そうなれば戦争が悪化するわ。せめて母親として零杏(かのじょ)を守りたいの。だから、お父様の言うことを守ろうとしたのよ。」

私は、高杉がお姉様を好きでいることを知っている。


_「もし、悪魔族の誰かがお姉様を嫁にもらいたい、と言ったら?
  どうなさるの?」

_「お父様のお許しを頂かなくてはなりませんわね。」


お父様は、神様だ。
そして、その王座を零杏お姉様に譲るつもりだ。

決してそうさせるものか。
王座につくのは、私だ。



まずは、お姉様を誘拐することから、かしらね。



私は、神威に連絡を取った。

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