暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica9-Bザンクト・ヒルデ魔法学院・学院祭〜Time to enjoy〜
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あんがと」

「いえ。私も大変お世話になっています」

騎士ヴィータと深々とお辞儀しあった後、「じゃあ、やるか!」と騎士ヴィータはポーチより赤いボールを両手に1球ずつ取り出した。私は青いボールを1球だけ取り出す。

「とりあえず、あたしとお前だけでやる。シグナム達が合流しても、一切手を出させないから安心して良いぞ」

「それはまるで、私の級友が全滅することが確定した、と言っているように聞こえますが?」

騎士ヴィータの言葉にそう返したところに、『おーっと! なんとバニングス一尉が撃沈! アーロンさんとアナさんの連携が綺麗に決まった!』とアナウンスがが入った。

「はあ!?」

『えー、ここでバニングス一尉からメッセージです』

『マジでごめん! しくじったわ!』

「マジで何やってんだ!」

バニングス一尉のメッセージのすぐ後に、『っとここで! C組のアーロンさんとアナさんが、月村技術官とシグナム一尉の前に敗れた! これで残るC組はアインハルトさんのみ!』とアナウンスが入った。

『そんなアインハルトさんは今! ヴィータ二尉と接敵中! さぁ、どう戦うのでしょう!』

「つうわけで、これで終いだ!」

騎士ヴィータが右手に持つボールを真上に放り投げた。咄嗟にそのボールに目を向けそうになりましたが、騎士ヴィータの左手にはもう1球握られている。視線を逸らした瞬間に投げられては回避しづらい。

「おらっ!」

投げられたボールは真っ直ぐに私の元へ向かってくる。避けるのは容易いですが、そのような簡単な真似はしたくない。ならば・・・。

(覇王流の防御術で、騎士ヴィータの意表を突く・・・!)

――覇王流・旋衝破――

ボールの威力や速さを一切殺さずに受け止め、そのまま騎士ヴィータへと投げ返す。騎士ヴィータは「おおっと!」と投球した体勢を無理やり捻って回避した。

「今のは旋衝破か・・・? つうか、なんで持ってるボールを投げなかった? 体勢を崩してた今、当てるのはそう難しくなかったはずだが?」

「あっさり終わってしまうのは勿体無いと思ったので・・・」

これまでの挑戦者の方々は、言っては失礼ですが弱かった。でも騎士ヴィータなら、さらにこの場を凌いだ先に待ち構えているであろう騎士シグナムなら、もっと熱い戦いを出来るはず。

「あー、そういうタイプか。んじゃ悪い事しちまったな」

そう言った騎士ヴィータが「あたしの勝ちだ」と宣言した直後、私の肩にポヨンと赤いボールが当たって跳ねた。床に転がる赤いボールを見つめる。何が起こったのか解らなかった。

「油断大敵だぜ? 自分の技を過信しすぎたな。アインハルト・ストラトス」

『あああああ! C組最後のアインハルトさん脱落ーーー!』
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