115 笛吹
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着した。
「吉川さん、着いたわよ」
「は、はい」
みどりは堀と共に降りた。そしてその家に入った。
「おじいちゃん、おばあちゃん、久し振り」
老夫婦が出迎えた。堀の祖父母だろうとみどりは思った。
「今日は私の学校の友達を連れてきたの。吉川みどりさんよ」
「は、初めまして。吉川みどりと申します」
「こんにちは。よろしくね」
「はい・・・」
「またあの部屋借りるわね。吉川さんもそこに荷物をお気に行こう」
「は、はい、あの部屋・・・?」
みどりは堀に二階のある部屋に連れられた。机が一台、本棚が一台あり、大半の部分が空になっていた。ベッドはなかった。
「ここは私が使っていた部屋よ」
「そうなんですか。いいお部屋ですね」
「そう・・・。ありがとう。どこにでもあるような珍しくないけどね。もうそろそろ夕食だから行きましょう」
みどりは隅に自分の荷物を置いた。そして二人は居間へと向かった。夕食は寿司を出前で取り、祖母が作ったとされるサラダとカボチャの煮付けが出された。
「今日はこずえの友達が来るって聞いたからお寿司にしちゃったの」
「はは、母さんったら孫どころかその友達にまで甘いんだからな」
堀の父は呆れるように笑った。
「でもこのサラダとカボチャの煮付けは婆さんの手作りじゃよ。食べたまえ」
「はい、いただきます」
みどりはサラダから食べた。牛蒡と温野菜のサラダだった。食べてみると非常に美味かった。
「お、おいしいです!」
「そうか、ありがとうね」
続いてみどりはカボチャの煮付けも食べる。これも非常に美味かった。
(こんな私に最高のおもてなしなんて・・・。堀さん、本当にありがとうございます!)
この日はみどりにとって最高の夕食だった。
みどりと堀はかつて堀が使っていた部屋で寝る事になった。押し入れから布団を取り出して敷いて寝た。
「この時はベッドがなかったから布団を敷いて寝てたの」
「へえ」
みどりは一つ堀に質問しようと考えた。
「あの、堀さん」
「何?」
「堀さんは引っ越しなさる時、どうして家族皆で清水へお引っ越しなさらなかったんですか?そうすれば今でもおじいさんとおばあさんと一緒にいられたのに・・・」
「ああ、それはね、私のおじいちゃんもおばあちゃんもこの笛吹に昔から住んでいてとても愛着があるからよ。引っ越すときはお父さんも一緒にどうかって聞いたけど、二人ともどうしても死ぬまでここにいたいという事で私とお父さん、お母さんの三人で行くことになったの」
「そうだったんですか・・・」
「私も最初は前の学校の友達と離れるのは寂しくて嫌だったわ。なんならお父さんとお母さんだけ行って私はここに残るって我が儘言ったりもしたわ。でもその友達もまた手紙や電話をしてくれるって言ってくれ
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