115 笛吹
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みどりは堀から彼女の家に届いた藤木からの手紙を見せて貰っていた。そこに彼女が藤木に渡した花束の花が藤木の家の玄関に飾られている事が書かれてあり、喜びを隠せなかった。
「やっぱり藤木さん、私の事をそれだけ大事にしているのね・・・」
みどりは頬に手を当てて赤面した。藤木への想いが届いたと感じ本当に嬉しかった。彼女は以前自分が思いを馳せる藤木が堀と仲良くしている所を見て彼は堀の方がお似合いだと思い、諦めるしかないと絶望した事があった。しかし、そんな絶望の先にリリィ・莉恵子・ミルウッドという少女に出会い、彼女から自分にしかできない事をすればよいと言われた。そこでみどりは堀にはできないような事を藤木にアピールする事を決めた。そのためスケートの地区大会の終了後、彼に花束を贈呈したのだった。
「そ、そうね・・・。それにしても不幸の手紙の事も犯人も見つかったし、私も安心したわ」
「これで藤木さんも安心できるといいですね」
「そうね、あ、そうだ、吉川さん」
「はい?」
「今度転校前にいた家にまた行こうと思うんだけど、今度は吉川さんも一緒にどうかしら?」
「それって確か山梨県でしたっけ?」
「そうよ」
(堀さんが私を誘うなんて・・・)
「はい、是非お供いたします!」
「分かったわ。お父さんとお母さんに伝えておくわ」
みどりは堀が嘗て住んでいた山梨に行ける事など夢にも思わなかった。
ある土曜日、みどりは学校が終了したのち、堀の家へと訪れていた。
「お待たせしました!こんにちは」
「あら、こんにちは。よろしくね」
堀の母が挨拶をした。みどりは堀の父の車のトランクに荷物を入れてもらい、堀と共に後部座席に乗り込んだ。こうしてみどりは堀の家族と共に山梨県へと旅立った。
「そういえば藤木君、中部大会で今松本へ行ってる所よね」
「そういえばそうでしたね。藤木さん、お元気でしょうか?」
「銅以上獲れるといいわね」
「はい!また手紙が届いたらいいですね!」
お互いは藤木の事を話した後、車窓を眺めていた。みどりはやがて眠ってしまったが、堀はずっと起きていた。
みどりが目を覚ました時には寝る前とは全く異なる街並みだった。
「あれ、私結構眠ってしまったんですね」
「ええ、一時間以上寝ていたわよ」
「そ、そうでしたか・・・!そういえばここは・・・?」
「もう山梨県に入ったわ。しばらくしたら笛吹市にある私が前に住んでた家に着くわよ」
「は、はい」
そして40分が過ぎた。
「笛吹市に入ったよ」
運転している堀の父が言った。
「ここがですか・・・」
笛吹市。山梨県の県庁所在地のある甲府市に隣接している市であり、桃と葡萄の栽培が盛んに行われている場所である。そして石和温泉があり、温泉の街でもある。
とある一軒家に到
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