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若葉の夢
第三章

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「そしてお父さんのルーツの国のポーランドに。それに」
「他の色々な国にもか」
「行きたいよ」
「そうか、じゃあ世界一周出来る様にな」
 葉造はキラのその言葉を聞いてだ、自然と暖かい微笑みになった。そのうえでキラに対して言った。
「頑張っていけよ」
「そうしていくね」
「そうか、御前は世界一周したいんだな」
「そうなんだ」
 キラはこのことをあらためて話した。
「そう思ってるよ」
「わかった、じゃあな」
「今日は放課後は部活ないけれどね」
「新聞配達に出るんだな」
「そうするよ、そしてお金を貯めるよ」
 世界一周の為にというのだ。
「そうしていくよ」
「今からコツコツだな」
「そうしていっているんだ」
 キラも笑顔で話した、葉造はこの時からキラとよく話をする様になった。それで別の友人達にも話した。
「悪い奴じゃないし結構面白いぜ」
「へえ、そうなのか」
「自分からは話をしないけれどな」
「悪い奴じゃないんだな」
「それで面白いか」
「ああ、だから御前等も別にな」
 これといってというのだ。
「変に思わないでな」
「話をしていっていいんだな、若葉と」
「そうしても」
「ああ、そうしな」
 こう彼等に話した。
「そうしたいならな」
「そうだな、それじゃあな」
「別に邪険にされないならな」
「あいつと話してみるな」
「人付き合い苦手そうな奴だけれどな」
「そうしな、あれで夢があっていい奴だよ」
 世界一周のことをだ、彼の夢のことも思ってだった。
 葉造は友人達にもキラと話すことを勧めた。彼の夢が是非適う様に願いながら。
 こうしてキラはクラスに入っていった、そうして彼の夢のことを知った友人達は応援した。その夢が是非適う様にと。これは彼にとって実に嬉しいことだった。それがどうしても適えたい夢であるからこそ。


若葉の夢   完


                   2018・2・23
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