第一章
[2]次話
若葉の夢
若葉キラはよく謎が多く近寄り難い人間と思われている、その為クラスでも彼と話す者は稀である。
しかしその彼に興味を持った小泉葉造は友人達に言った。
「俺最近若葉気になるんだよな」
「若葉がか?」
「そうなのか?」
「ああ、何かな」
こう言うのだった。
「妙にな」
「まあ何考えてるかわからないよな」
「無口な方だしな」
「人付き合い少なくてな」
「部活は園芸部だけれどそっちでもそうらしいしな」
「理系は得意だよな」
「勉強は嫌いみたいだけれどな」
あと運動は苦手なのは皆わかっている、ただし勉強は嫌いでも要点はいつも抑えているのか理系はよく文系も悪くはない。
しかしだ、その他のことはだった。
「何かな」
「謎が多いって言えば多いな」
「変な奴っていうか」
「妙な奴だよな」
「どんな奴か知りたいんだよ」
葉造は友人達に話した。
「それでちょっとあいつと話をしようって思ってるんだよ」
「話すか?あいつ」
「あまり喋らないけれどな」
「喋るかね、そんな簡単に」
「話し掛けても相手にされないかも知れないぞ」
「そうなるかも知れないぜ」
「その時はその時だよ」
葉造はキラが話さないならそれでいいと思っていた、それなら諦めようと最初から割り切っていたのだ。
「けれどな」
「話し掛けて応えてきたらか」
「それでいいか」
「そう考えているんだな」
「ああ、じゃあちょっと昼休みにでもあいつと話してみるな」
こう言ってだ、その日の昼休みにだった。
給食の後で園芸部が造っている花園でチューリップ達を見ているキラのところに行ってそのうえで彼に声をかけた。
「おい、いいか?」
「あれっ、同じクラスの」
「ああ、小泉だよ」
葉造は自分に顔を向けたキラの少女の様な顔を見つつ笑って答えた。
「知ってるよな」
「うん、けれどね」
「話したことなかったよな」
「そうだね」
「それでちょっと話したくて来たんだけれどな」
「そうなんだ」
「いいか?」
「話すっていってもあまりないよ」
キラは葉造に素っ気ない感じで返した、キラから見ると葉造はかなり背が高く逞しい感じに見える。もっと言えば不良に。
「僕からは」
「そうか?」
「これといってね、まあ別に隠してることないけれど」
「まあ隠す必要のないことなら話してくれよ」
葉造はキラに笑顔で返した。
「何でもな」
「うん、じゃあね」
キラは葉造に応えてそうしてだった。
葉造はキラと話した、その中でキラの話を聞いた。するとだった。
キラのことが色々とわかった、葉造はキラのそのオッドアイを見て言った。
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