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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第655話】
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がつり上がったその時だった――成樹の姿が消えたのは。
正確にいえば消えたわけではない、彼はただ瞬時加速を行っただけなのだ。
だがその瞬時加速は予備動作無し、誰しも瞬時加速時は動作が何処かしらあるものだが成樹にはそれがなかった。
動作無しの瞬時加速――初心者の成樹が瞬時加速が出来たのも自身の観察眼によるものだろう。
一夏自身、迂闊に何度も瞬時加速を見せたのも要因の一つであり、一夏の悪癖でもあった。
十八番といえばイメージとしては得意分野――だが、単調になるぐらい多用すればこうなる事態を想定できなかった一夏の短絡的な思考が成樹の成長を促したのかもしれない。
ググッと手に力を込めた成樹に対し、一夏はまたも瞬時加速で迫り、近接戦闘を仕掛ける。
こうなっては一夏の勝利は無いも等しい結果になる。
袈裟斬りを避け、カウンターで機構式大型スピア【時雨】の一撃を叩き込み、後方離脱と共にアサルトライフルによる弾幕で牽制――セオリーに近い形でどんどん削られていくシールドエネルギー。
雪片から白亜の光刃が消え去り、成樹のエネルギーも残り二〇〇を切るが一夏に至っては僅かに十二。
「くっ……! 何で一方的に……!」
一夏の憤りに、思わず織斑先生がオープン・チャネルを開いた。
『当たり前だ馬鹿者。 零落白夜による一撃必殺がお前の狙いなのだろうがそんなものは先ず通用しない。 お前はこの半年で学んだことは猪武者になって自爆することなのか?』
「……っ」
誰が見てもそうだった、猪武者――先陣を切って鼓舞する武将かもしれない、だがそれが出来るのは技量と大胆な心、他にも様々な要素が必要なのだが一夏には無い。
無謀に突撃し、エネルギーが尽きて不様に戦死する様が誰にでも容易に想像できた。
『もうお前に勝ち目はない。 大人しく降参しろ、そしてこれを糧に学べ』
そんな織斑先生の言葉が飛ぶ――だが一夏の考え方は昔ながらの考え方、だから――。
「嫌だ! そんなカッコ悪い真似が出来るかよ! そんな真似するぐらいなら! ウォォオオオッ!!」
背部ウイング・スラスターを点火、無謀な特攻を仕掛ける。
昔の大日本帝国ならば称賛されただろう――だが時代は二一世紀なのだ、そんな古い考えも捨てなければならない。
成樹は静かに告げる――一夏に対して。
「ありがとう織斑君。 君のお陰で立ち回り方が見えてきたよ。 君との模擬戦は僕の糧になる。 ……ありがとう」
その言葉と共にライフルの弾丸が一夏の額を撃ち抜く――絶対防御に守られている為死ぬことは無いが、衝撃に脳が揺らされ、一夏は気を失う。
それと同時に模擬戦終了の
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