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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第655話】
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 残り三割がクロス・グリッド・ターンによる背後からの強襲――。


「そこだァァァッ!!」

「クッ!?」


 三割の方の背後からの強襲、弧を描く機動で背後を取るや、ラファール・リヴァイヴの背部シールド・スラスターの一基が切り伏せられる。

 武装展開に手間取る成樹に対して、容赦なく攻める一夏。

 零落白夜の光を放ったままの雪片はそのままに、左腕の武装腕雪羅が荷電粒子砲へと展開するとその左手を正面に翳した。


「穿てッ!! 雪羅ァァァッ!!」


 甲高い高周波が鳴り響く――閃光が放たれ、ラファール・リヴァイヴへと迫る。


「間に合うか……!? いや、間に合わせるんだ……ッ!!」


 迫る閃光に、成樹は芽吹き始めた才能が開花し始める。

 閃光が直撃する瞬間、ラファール・リヴァイヴの左腕部に備わった盾から、更に全体を覆うようにエネルギーシールドが展開される。

 前面に張り巡らされた防御壁が閃光を周囲に四散させた。

 成樹の視界は真っ白に覆われる――目の前のハイパーセンサーに表示された【零光白散】の文字。

 穿たれた白亜の閃光が、前面展開された白亜の粒子壁によって完全に遮断、周囲に舞う白い粒子はまるでこれからの季節を彩る雪のようにグラウンドへと降り注いだ。


「なっ……!? 月穿が防がれた……!?」


 驚きに目を大きく見開く一夏。

 まだ搭乗時間が十時間未満の成樹相手に攻撃を防がれ、決定打も決められない。

 そして零光白散のエネルギー消耗率は全ISの中でトップクラス、エネルギー周りを簪に見てもらって改竄されたとはいえ焼け石に水でしかない。

 ギリッと奥歯を噛み締める一夏の心に、ほんの小さな闇が芽生え始めたのはこの時だったのかもしれない。


「……ッ!! ォォォオオオッ!」


 雪片を上段の構えに変え、瞬時加速で再度肉薄した一夏。

 雪片の刃は零落白夜のエネルギーを纏っていた。

 目尻を釣り上げ、振るわれた一夏の剣閃。

 構えも上段故に振り下ろすのが成樹には見えていた――素人の成樹が見えるぐらいの太刀筋、一閃は激しく土を舞い上がらせただけだった。

 成樹もまだ動きに無駄が見える、テンポ遅れて機構式大型スピアの一撃を放つのだが、一夏は何とか雪片で受け流すのだが衝撃の凄まじさに地面を滑るように後退させられた。

 開いた間合い、成樹はもう一度機構式大型スピアを構える。


「やられるかよッ!!」


 そんな一夏の叫びが木霊した、グラウンドでは生徒の歓声が響き渡っている。

 スピアの一撃を避けた一夏、直上からの零落白夜による袈裟斬り――決まれば勝ちは確定。

 勝利を確信した一夏の唇の端
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