暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
第三十九話 -バトルゲームの罠-
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「ナツコ?」
「私のお友達でー。ティーチャーしてて、色々アドバイス貰いましたー」
「先生…でもさっきのすごく格好良かったです!それに今の感じ…お茶目な感じ出していけば女生徒の評判もすぐよくなりますよ!」
「そうそう!さっきのガンアクションなんてビリー・ザ・キッドみたいで!」
「アリガト。それじゃあもっとエキサイティングなゲームを紹介しましょうか?」
「「「え?」」」

そう言われて俺達が連れてこられたのは「グレートファイタースピリット」という体験型格闘ゲームの筐体の前だった。ふむふむ。ヘッドギアに手足のセットレバーが画面の自機と連動していてダメージを受けると衝撃が来ると。…お?へえ。握り手の所にボタンがあってコンボもできると。
蘭ちゃんがするみたいだな…これ、蘭ちゃんみたいな美少女女子高生の後にするのはいいけどむさいおっさんとか汗っかき、脂ギッシュな奴らが被ったギアを続けて被りたくはないなあ。
へー。ダメージは携帯のバイブと同じくらいか?蘭ちゃんは空手のように大振りにして敵にダメージを与えてるけど初動の数cmで連動が起きてるから細かい動きとボタンのコンボが結構重要になりそうだな。

「Oh!毛利さん強いですね!」
「そりゃそうですよ!なんたって蘭は…」
「空手の都大会の優勝者なんですよ、先生」
「ワオ、チャンピオン!」

その後、もう一戦という所で乱入者が来て蘭ちゃんはあっさり負けてしまっていた。
まあその男というのが何ともチンピラの三下を絵にかいたような男で…女子三人組にはとても不評にようだった。

「ったく!何なのよアイツ!むっかつく!」
「「米花のシーサー」って呼ばれていきがってるただのチンピラだよ」
「え?」

園子ちゃんのつぶやきに答えたのはマージャンをしていたニットを被った男性だった…まんまチンピラだったのかい。
どうにも、彼の態度にはここら一体のゲームセンター連中には不評のようで彼が天狗になっている鼻っ面を叩き折るには、まずあのゲームで勝つことだろうと。だが彼…もうチンピラAでいいか…は大会等にはでないがこの界隈では無敵だそうで…

「まあ奴を倒せるとしたら…杯戸町で無敵を誇った…」
「杯戸のルータス…オレ位だろ?」

ここで新たに会話に割り込んできた男性が現れた。どうやら彼自身もチンピラAと因縁があるらしくその決着をゲームで付けようとしているらしい…!!?

「龍斗?」
「……」

勝負前に一服をしている「杯戸のルータス」さんに俺は近づいて行った。

「?なんだお前?」
「ども。料理人をやってる緋勇といいます……そのタバコの箱から料理人の俺からしてみれば嗅ぎなれたものが漂ってくるんですけど…ね?」
「な!?」

俺は彼だけに聞こえるように耳打ちをした。


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