暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
第三十九話 -バトルゲームの罠-
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「おはよう、紅葉」
「おはようさん、龍斗。もうすぐ朝ごはん出来るさかい、新聞を取ってきて―な」
「オッケー」

朝起きて居間に足を運ぶと、紅葉がキッチンに立っていた。今日の朝ご飯とお昼のお弁当は紅葉の担当なので俺は彼女の言われた通り、居間を出て廊下を通り新聞受けを見に行った。

「えっと…新聞に、依頼書類に、DMっと。…ん?絵葉書?」

普段通り、郵便物の内容を確認しているといつものラインナップとは別のものが紛れ込んでいた。

「んー?送り主の住所は雪影村?…お」

裏面を見ると絵葉書ではなく写真のようだった。そこに写っていたのは病室で赤子を抱く母親らしき女性と、笑顔の男性だった。



「お帰りー龍斗。もうできますよって…なんや?嬉しそうやんか」
「え?ああまあね。とても気分がいいよ」
「ふーん?なんや気になるやん。っと。その前に朝ごはんの用意できましたから配膳手伝ってもらえます?」
「ああ。勿論」

何の変哲もない、いつもの日常の朝の一風景。新しい「家族」の誕生を手紙で知った俺は、その幸せについて改めて噛み締めていた。





「ふうん。それで今日の龍斗クン、機嫌がいいんだ?」
「そうなんだよ。いやあ、めでたいよね」
「それにしてもすごい偶然もあったものね。たまたま夜釣りをしに行った村で入水自殺をしようとした人と出会うなんて」
「せやねえ。しかも擦れ違いが生んだ勘違いなんやろ?そのまま自殺してたなんてことがあったらやりきれんわなあ…」
「まあまあ。話したのは俺だけど実際は食い止められたんだしIFの話で暗くなるのはなしにしようぜ?紅葉。それと、今日の弁当も美味しいよ」
「あ、ありがと」

所かわって帝丹高校の2年B組の教室。午前の授業が終わり俺はいつもの女子三人とお昼を取っていた。…うん、紅葉も弁当作りが上手くなってる。冷めても美味しい。

「そうそう、龍斗クンの言う通り!…そうだ、昨日結構良さげなゲーセン見つけたんだ。みんなで放課後に行ってみない?」
「私は今日は稽古がないからいいわよ。2人は?」
「俺は大丈夫…なんだけど」
「ウチも今日の放課後の予定は空いてますけど…」
「「??」」
「げーせん、ってなんですか?」
「え!?紅葉ちゃん、ゲーセン行ったこと無いの!?」
「え、ええ」
「龍斗君とのデートとかで行ったことは?高校生のデートの定番じゃない?」
「そ、そうなんか?龍斗?」
「んー、あー。いやまあ確かに定番っちゃ定番なんだけど…」
「じゃ、じゃあなんで連れてってくれなかったんです…!?」
「ちょ、ちょっと。紅葉、そんな泣きそうな顔しないでよ?」

ちょっと涙目になり始めて寂しそうな紅葉を宥めようとしたら惣菜パンを隣のグループで食べていた中道に言葉
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