第三十六話 -学園祭、黒衣の騎士-
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
―学園祭1週間前―
「もしもし、園子ちゃん?」
『どうしたの?龍斗君。珍しいわね。携帯じゃなくて家に電話だなんて』
「ちょっとお仕事を頼みたくてね」
『お仕事?』
「うん。学園祭の間なんだけど、マスコミのシャットアウトを頼みたいんだ。大手、フリー問わずにね。今年は俺も世界大会に出るし、去年はいなかった紅葉もいる。俺や周りの学生に無遠慮にインタビューして回るきちが…失礼。無礼な輩が何もしなければ湧くだろうしね」
『あー。去年も頼んでたやつね。確かに何人かその手の奴らが実際いたって報告あったし。今年はもっとひどくなりそうだわね。了解了解』
「話が早くて助かるよ。報酬は去年と同じ…いや、ひどくなりそうだし4割増しでどう?追加で貢献してくれた人全員に特製弁当+スイーツで」
『わお。それはいいわね!しっかり伝えておくわ。でも当日のガード以外にも裏であの手この手使うから結構な数になりそうだけど大丈夫?』
「大丈夫大丈夫。せっかくの(紅葉との)思い出造りの場なのに無粋なまねされたくないしね。お願いします」
『まっかせなさい!じゃあまたねー!』
―学園祭2日目―
どうやら、園子ちゃんへの依頼は大成功だったらしい。学園祭を狙い澄ましたような家にかかってくるマスコミの電話もあの依頼をした翌日からぴたりと止まり、学園祭の中での写真のお願いも一般人の人からだけだ。…一緒に撮ってくださいは分かるが、なんで俺と紅葉のツーショットを欲しがる人がいるんだ?
まあ、それはともかく俺は学園祭を大いに楽しんでいた。…隣に恋人がいるだけでこんなにも変わるとはね。
「ん?どうしたんです、龍斗」
「いや、なんでもない。楽しんでる?紅葉」
「ええ、とっても!」
知らず、紅葉の方を見ていたらしく怪訝な顔をされたがとてもいい笑顔で返された。ああ、依頼出しておいてよかった。
―
2年B組の劇の順番がつきとなり、俺達は体育館の舞台裏で準備及び客席の様子をうかがっていた。のだが、
「ちょ、ちょっと!次私たちの劇なのになんでこんなに人が増えてるのよ!?」
「それだけ期待大ってことよ!あのロミ・ジュリを凌ぐ超ラブ・ロマンスだって銘打って宣伝したし♪それに蘭や龍斗君、紅葉ちゃんが出るのも大きいわね」
「えー、何よそれ!聞いてないわよ!?」
「ほんんまに結構な数やねー」
「こりゃあ、蘭ちゃんがあがらないか心配だ…」
「蘭ちゃーん」
へ。何やら聞き覚えがある声が後ろから聞こえてきたので振り返ってみると。
「「「「和葉ちゃん!」」」」
「やっぱり来てもーた。平次には「邪魔になるからやめとけー」言わたんやけど」
「じゃあ服部君来てないんだ」
「ちぇー。あの色黒イケメン君は来てないのかぁ。いい目の保養になるのに」
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ