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名探偵と料理人
第二十七話 -黒の組織との再会-
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たの?私には細い針を刺しただけのようにしか見えないけど」
「いずれ話すよ。それじゃあ治療しますか」

彼女の傷は両肩、左二の腕、左ほほに左太ももにあった。いくら傷が小さくなっているとは言えこのままでは跡になってしまうのでそうならないように慎重に治療を行った。
治療を終えた頃には彼女は眠ってしまっていた。所要時間が1時間くらいか。ドクターアロエも巻いたし一週間もしない内に跡もなく完治できるだろう。もうすぐ冬休みだしこのまま休み続けてもいいかな。

「…終わったよ。この包帯自体に殺菌と抗生剤を浸透させる効果があるから交換しなくてもいいし、お風呂も入っていいよ」
「すまねえ、助かった」
「ありがとう、龍斗君」
「こういう傷は普通の医者に見せるわけにもいかないしね。時間も時間だし下手したら博士の虐待を疑われて警察に…なんてことに」
「「おいおい…」」
「冗談はさておき。彼女は大丈夫。七日ほど経ったら包帯を取りに一度来るから。もうすぐ冬休みだしこのまま休ませるのが一番だと思うよ」
「確かにそれでもいいな。どう思う博士?」
「ああ、いいと思うのじゃがそこは哀君と相談じゃな」
「そこは任せます。それで治療をしながらことのあらましは全部聞いたけど本当に彼らは米花町を捜索しないのかな?」
「ああ、ほぼないとみて間違いないぜ」
「≪ほぼ≫ない…か。ねえ新ちゃん。『この声どう思う?』」
「い!?」「なんと!?」
「今のって灰原の声か?!前にオレの姿で事務所に来てもらったときはそんなこと出来なかったんじゃねーのかよ!?」
「あの時はね。声って声帯とか喉とか口の大きさや形の違いで変化がつく。だからま、身体操作の応用でちょっと練習したらできた」
「怪盗キッドみたいなことを…ってまさか!?」
「うん、彼女に変装して東京から離れるよ」
「だけどそれじゃあオメーに危険が!」
「大丈夫、絶対追手が追えない方法を考えついてるから…もしかしたらワイドショーを騒がせるかもしれないけど」
「な、なんだよそれ?」
「まあまあ。ちょっと準備もあるし一度家に帰ってから…八時前にもう一回来るよ。悪いけどその時に彼女に聞きたいことがあるから起こしておいてほしい」
「あ、ああ」
「わかったぞい」
「それじゃあ、また後で」

そう言って俺は哀ちゃんの両手にメタモルアメーバを押し付ける作業をしてから家に戻った。





家に戻った俺はそのままグルメ世界の方に移動した。女性ものの服と靴、それに松葉杖の購入のためだ。こちらで買っておけば特定もされないだろうしね。こっちのデパートは基本24時間営業だから助かった。

買い物を終えグルメ世界から戻ると時間は七時過ぎだった。もう少し時間があるか。…これから俺がやることを考えると彼女には言っておいた方
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