一章 救世主
16話 佐藤詩織(3)
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か、話を続けようとはせず、ベッドに全体重を預けた。
そしてすぐ、何かに気付いたように跳ね起きる。
「あーっ! そういえば、買ってきたゲームとか全部忘れてきたっ!
思わず、詩織は小さく笑みをこぼした。優との会話で笑ったのは、これが初めてだった。
「あ、そうだ。前に桜井さんが言ってたルーライズのプリン買ってきました」
「覚えてくれてたんだ」
「はい。あそこ凄いですね。プリン以外にも――」
医務室に笑い声が響く。
二人の間に以前のようなぎくしゃくした雰囲気はなかった。
その日、少女は生涯で見れば小さな、けれども本人にとっては大きな、かけがえのない一歩を踏み出した。
そして、停滞していた世界中の時計が動き出す。亡霊が現れて8年。永遠に続くかと思われた不毛な闘いは、この時新たな局面に突入しようとしていた。
亡霊が、軍が、亡霊対策室が、そしてESP能力者――ハーフ達が、それぞれの思惑を抱いて動き出す。
世界は徐々に、だが確実に変わり始めていた。
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