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とある3年4組の卑怯者
112 松本
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 藤木は学校から帰ると自分宛の手紙が郵便受けの中に入っている事を確認した。堀からだった。以前自分が出したお礼の手紙の返事に違いないと藤木は思い、部屋で封を切り、読んだ。

 藤木君

 この前はどういたしまして。あのお花の事吉川さんに伝えたわ。そしたらすごく喜んでいたの。不幸の手紙の犯人が見つかってよかったわね。私も安心したわ。今度の中部大会は別の用事で私も吉川さんも行けないけど藤木君の事を必死で応援しています。頑張ってね。

 堀

(堀さん・・・。うん、ありがとう、僕、頑張るよ!今は新しい目標があるからね・・・!!)
 藤木は堀の返事を読んで感動した。


 翌日、藤木はリリィと笹山に呼び止められた。
「藤木君」
「リリィ、笹山さん、どうしたんだい?」
 笹山が説明をする。
「今度のスケートの大会なんだけど、私達も藤木君の応援に行こうと思っているんだけど、いいかしら?」
「え、いいのかい!?でも松本は簡単に行けるような場所じゃないよ」
「うん、でも私達あの時の事で藤木君がもっと心配になったし、どうしても藤木君のために何かしてあげられたらなって思ったの。交通費とか宿泊費とかはリリィさんのお父さんとお母さんが出してくれるって言ってたわ」
「そうか・・・、でも大変だね。花輪クンに頼んでみたらどうかな?ヒデじいの車で連れて行って貰えるかもしれないよ」
「あ、そうか、花輪クンなら何とかしてくれるかもね」
 藤木の口から花輪に頼る事を提案する事は非常に珍しいと二人は感じた。今までの藤木なら花輪が関わると二人とも花輪の事が好きになって自分は嫌われるだろうと勝手な被害妄想をしただろう。しかし、卑怯を治したいと決意した今、そんな事を考えて花輪と関わる事を避けようとするなんて小さい事だと思った。だから、ここ花輪に頼ってもいいのかもしれないと思った。藤木は花輪の席に向かい、尋ねた。
「あの、花輪クン」
「Hey、何だい、藤木クン?」
「次の日曜に、僕スケートの大会があるんだけど、場所が長野県の松本なんだ。それで笹山さんとリリィも僕の応援に行きたいって言ってるんだ。それでヒデじいの車で松本に連れて行ってもらえるかな?」
「ふーん、なるほど、分かった。ヒデじいに相談してみるよ」
「ありがとう、花輪クン!」


 そして翌日の朝、花輪は藤木に呼び掛けた。
「Hey、good moening、藤木クン。ヒデじいに相談した所、OKだってさ」
「分かったリリィと笹山さんにも伝えておくよ。あ、そうそう、この大会の招待券君とヒデじいの分渡しておくよ」
「ああ、thank you、senhor(セニョール)
 藤木は二人にも伝えることにした。リリィが教室に入ってきた。
「あ、リリィ、花輪クンがOKだって言ってたよ」
「本
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