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五人で談笑した。
「それじゃあ、僕達はこれで失礼します。さようなら」
「またね、リリィさん、藤木。ほら、永沢も挨拶しなさいよ」
城ヶ崎は永沢に催促した。
「う、じゃあな」
永沢は素っ気なく言った。そしてお姉さんとも別れ、藤木とリリィは帰って行った。
藤木は中部大会のための練習をスケート場で続けていた。トリプルトウループやトリプルアクセルやトリプルルッツ、フライングキャメルスピン、どれも難なく出来た。ただ、それが本番で出来なければ減点で世界一はおろか、全国大会行きすら絶たれてしまう。その場で滑っていた人の多くは藤木の姿を見て凄く驚いていた。
(ふう〜、この姿、笹山さんやリリィに見せたいなあ〜)
藤木はリンクから上がり、少し休憩する事にした。ベンチで座って少しすると、和島が現れた。
「やあ、藤木君」
「和島君」
「あの時のボクはしくじったけど今度はキミに簡単に金は獲らせないよ」
「そうか。それなら僕も上を目指すだけだね。とにかく今の僕の目標は世界一になる事だよ。まずは中部大会で全国に行く権利を手にする。それには銅、銀、金いずれかを獲る事が必要だ。つまり君より上になる事より、賞を手に入れる事だけを考えるよ」
「フン、やれるもんならやってみろ。ボクは地区大会で見せたキミのあの技よりも凄い技を見せてやるようにするさ!」
和島はリンクに向かった。
(僕も負けてられないな。また新しい技を作るべきかな?それともあのアクセルからのスパイラルをまた中部大会で披露するべきかな?)
藤木はどうするべきか考えた。なお、遠くからみどりが藤木を見ていた。
(ああ、藤木さん、やはりスケートする姿は本当に素敵だわ!中部大会、頑張ってください!!)
みどりは藤木が練習を再開する所も見ていた。そして練習が終わり、藤木が帰る時、みどりは慌てて藤木に声を掛けた。
「あ、あの、藤木さん・・・!」
「みどりちゃん!?来てたのかい?」
「は、はい、先日はお疲れ様でした・・・。あと、私があげたお花を飾ってくれてありがとうございます」
みどりは照れながら礼をした。
「いやいや、こっちこそ」
「あの、そうだ、中部大会、頑張ってくださいね」
「え?うん、ありがとう。じゃあね」
藤木は帰って行った。
「はい、さようなら〜」
みどりは藤木が見えなくなるまで手を振った。
また次の日、藤木は練習の為に急いで帰ろうとした。そして昇降口でリリィに呼び掛けられた。
「藤木君」
「リリィ、何だい」
「今日も氷滑しに行くの?」
「そうだよ、中部大会が近づいてきているからね」
「そう、それってどこでやるの?」
「長野県の松本さ」
「わかったわ。ありがとう」
「じゃあね」
藤木は帰って行った。リリィ
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