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藤木はリリィに連れられて永沢と城ヶ崎が入院しているという病院に向かっていた。
「本当に永沢君喜んでくれるのかな?絶交したのに・・・」
「大丈夫よ。きっと分かってくれるわ」
リリィは母親のお気に入りのブランドのシュークリームが入った箱を持ち、藤木は永沢が入院している事を母親に話した為に母から持たされた饅頭の箱とスケート大会の金賞の楯を持っていた。ちなみにリリィから楯を見せた方が嘘じゃないと証明できると言われた、楯も持っていく事にしたのだ。病院に到着し、永沢達のいる病室に入った。
「こんにちは」
「あら、リリィさんに藤木」
「なんだ、藤木君。君はあの時、どこで何してたんだい?」
永沢が敵意を向けるような目で藤木を見た。
「永沢君。大変だったね。今日は君に差し入れを持ってきたんだ。母さんが買ってきてくれた饅頭だよ」
「ふん、それがなんだ。花輪クンなんて高級なお菓子を持ってきてくれたんだぜ。君はあの時僕を助けてくれなかった癖に、来たらそんなものを持って来るのか」
「永沢っ!」
城ヶ崎は永沢に怒った。
「ご、ごめんよ。あの時、スケートの大会で御殿場へ行ってきたんだ。それで金賞を獲ったんだよ。これがその証拠さ」
藤木は楯を永沢に見せた。
「ふん、君はスケートしかできないんだから呆れるよ。まあ、絶交した君の事なんてどうでもいいけどね」
「永沢君、そんな事言わなくてもいいじゃない。不幸の手紙の犯人も分かったんだし、もう仲直りしましょうよ」
「悪いけど僕は卑怯者なんかと仲直り何て御免だね」
「永沢っ!藤木はあの時何があったか知らなかったんだから仕方ないでしょっ!!」
「うるさいな!君は黙っててくれ!大体なんで僕はこんな奴と同じ病室なんだ!」
「だったら看護師さんに病室替えてくれって言えばいいでしょっ!!」
「そんな事君が言えよ!!」
永沢と城ヶ崎は相変わらず喧嘩を始めた。その時、一人の女性が入ってきた。
「こんにちは。あら、君男君の友達?」
「あ、はい、そうです」
「あ、お姉さん」
永沢は照れた。その女性はかつて永沢の家の隣に住んでいたお姉さんであり、今は嫁いだが永沢の初恋の女性だった。各務田の逮捕は彼女の手柄でもあるのだった。
「君男君、友達が心配してくれてよかったわね」
「いや、別に、その・・・」
「折角来てくれたんだからいいじゃない。えっと君は・・・」
「藤木といいます」
「藤木君ね。お姉さんは永沢君男君の家の隣に住んでいた人よ。今は結婚したけどね」
「そうですか。僕、永沢君に差し入れとこのスケート大会で優勝した楯を見せに来たんです」
「へえ、スケート大会でね。私も君男君が小さいころ一緒にスケート場に遊びに行ってたのよ」
「ちょ、ちょっと、お姉さん!」
永沢は照れくさそうに言った。そして
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