第22話
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ラウラは静かな表情で呟いた。
「………すまないが、それ以上は私の口から言う事はできない。だが、一つ言えるとしたら……君達が触れようとしているのはエレボニアがアルフィン皇女殿下の”想い”すらも無下にしようとしている事を思い知らされてしまう”事実”だ。あまりに哀しく――――そして愚かしい、ね。」
「………………」
「エレボニアがアルフィンさんの”想い”を無下にしようとしている事、ですか………」
「うふふ、確かに遠からず当たっているわね、侯爵さんのその言葉は。」
重々しい様子を纏って答えたハイアームズ侯爵の説明を聞いたリィンは目を伏せて考え込み、セレーネは真剣な表情で呟き、レンは意味ありげな笑みを浮かべた。
「……すまない。無用に混乱させてしまったようだ。―――セレスタン、例のものを彼らに。」
「……は。こちらをお持ちください。」
ハイアームズ侯爵に視線を向けられたセレスタンは廃道の鍵をリィンに手渡した。
「正規軍司令、サザ―ラント州統括者、両名の許可をもってその鍵を託そう。……おそらく大凡の事情についてはギルドの高位遊撃士も知っていよう。だが―――この件についてはくれぐれも公・巷間に流布しないと約束して欲しい。………場合によっては帝国機密法に接触し、国家反逆罪に問われかねないだろうから。」
「ごくっ……」
「……わかりました。丁重に預からせていただきます。」
「トールズZ組――――君達に女神達の加護を。どうかくれぐれも気をつけてくれたまえ。それとレン皇女殿下。こんな事を頼める立場ではないと承知していますが、できれば”贖罪”の件についてはリベール王国や七耀教会には――――」
「別に頼まれなくったって、リベールや七耀教会に教えるつもりはないわよ。”贖罪”の件は”七日戦役”の”和解条約”とは無関係だし。―――というかレン達―――メンフィルが教えなくてもリベールや七耀教会もそれぞれ独自で掴んでいるか、内戦終結以降のエレボニアの態度で”察している”と思うわよ。」
リィン達に忠告した後懇願するような表情を浮かべたハイアームズ侯爵に見つめられたレンは呆れた表情で溜息を吐いて答え
「……確かにそうですね。ちなみにその件について彼――――レオンハルト准将は何と仰っていましたか?」
レンの答えを聞いたハイアームズ侯爵は重々しい様子を纏って頷いた後レンに問いかけた。
「そうねぇ………『エレボニアは何も変わっていない―――いや、エレボニアに変わる事を期待するだけ時間の無駄だ』と言っていたわね。」
「………そう、ですか………確かに内戦が終結してからのエレボニアの態度を考えれば……―――ましてや当事者の一人であった彼ならばエレボニアに対してそう思って
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