Knight's & Magic & Carrier 4
[12/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を止めれるだけの力を持った上で銀凰騎士団の長所である多様性を潰さずに活かすだけの器が求められる。その器がエドガーには不足している。
今はオレも現場に出て指揮を取っているため問題はない。だが、オレはいずれ研究開発に専念するために前線から身を引くつもりだ。そうなると指揮官が足りなくなる。ただでさえ、エルもディーも指揮がそれほど得意ではないのだ。エドガーは指揮が取れるだろうが、その指揮は銀凰騎士団に適したものではない。それを理解してもらわなければならない。
「資材は全てムスペルに運び込んでおくよう指示を出しておく。中隊へのブリーフィングは任せるぞ」
今回の件で一皮むけてくれると良いのだがな。
操縦席で瞑想をしながらその時を待つ。これからこの身を血に染め上げることになる。正直に言えば怖い。この手で命を奪うということが怖い。だが、これは義務でもある。王族として何不自由ない、いや、自由はそれほど多くなかったか。それでも十分に恵まれた環境で暮らしてきた。だからこれは義務だ。唯一残ってしまった王族としての義務。国のためにその身を捧げるための行為。直接この手で人を殺すのではないのだけが救いなのだろう。
『緊張しているのか』
トールから通信が強制的に開かれる。
「ええ、とてもね」
『鳩尾より少し下、そこが黒騎士の操縦席だ。そこより上を狙えばいい。それか、頭と両腕を潰せ。手数が必要になるが殺さなくて済む。背面武装は半固定で正面にしか撃てない。うつ伏せに転ばせればそれで無力化できる』
「バレてますか」
『エルは完全にロボを破壊していると割り切っている。操縦者もロボの一部と認識しているというのが正しいか。オレはそこそこ酷い状況に陥ったからな。頭のネジが少し緩んだ。だから、その迷いを捨てるな。こちらには堕ちるな』
「堕ちるな、ですか」
『そうだ。狂人に王たる資格はない。堕ちるな狂うな壊れるな。王とは舞台装置だ。役目を果たせ。それを望んだのだろう?』
「そうね。倒れるわけにもいかない。背中、任せます」
『それ位なら任されよう』
ふぅ、多少はプレッシャーが和らぎましたか。それでも、キツイものですね。
『旦那方、そろそろ目標が見えてきたよ!!』
『荷車を切り離せ!!その後、荷車の護衛を任せる!!殿下、名乗りを上げるなら今だけです!!』
名乗りは、上げる必要があるわよね。北側は減らすだけだけど、南側は殲滅するって決めていたことだし。外部拡声器のスイッチを入れて高らかに戦争への参戦を名乗りあげる。
「我が名はエレオノーラ・ミランダ・クシェペルカ!!己が私欲を黴の生えた国の復興などと言う妄想で誤魔化し、正当な理由も大義もなく、魔獣番と蔑む相手の技術をさも自分達の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ