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第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#53
FAREWELL CAUSATION]V〜Titanic Catastrophe〜
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切り替えるような真似はせず
このまま『本体』の根元まで接近出来るかもしれない。
“かもしれなかった”
 台座の上で流式の構えを執る、
双真(ソーマ)の少女をヴィルヘルミナが知覚するまでは。







 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッッ!!!!!!






 恐怖と脅威を文字に起こした感覚ではない、
事実全く同じ残響(おと)を伴ってソレ、
否! “ソレら” は立ち上がった。
 まず、初めに、『大地の巨人』
真王に比肩する超弩級(大型)の土塊がコンクリートを捲り上がらせて
ただ無造作にソコに現れる。
 続いて、『石の巨人』
周囲のコンクリート、アスファルト、路傍の石ころも観賞用の庭石も、
その更に下に有る岩盤まで凝結させて人型を成していく。
『青銅の巨人』 『鉄の巨人』 『鉛の巨人』
原理は先刻のモノと同様、近代都市を構成するあらゆる鉱物が
無作為に集まって恐怖と脅威を具現化する。
『火の巨人』
 真王の神力(チカラ)に境界はない、
物質ではない膨大な熱量すらも巨大な人の形容(カタチ)として
成型させてしまう。
『水の巨人』
 氾濫させた洪水が仇となったか? 斬れない、砕けない、貫けない、
「敵対」するコト自体が莫迦げている不滅の象徴が無情に意志を宿す。
並びにソレを応用させた『氷の巨人』
 今更ソレに対する怯懦(きょうだ)は麻痺してしまい蛇足だろうか?
そして幾つの生命が犠牲に成っただろうか?
あらゆる生物を無理矢理凝縮して全体を構成させた
『肉の巨人』
 そして――
 真王のK躯(からだ)からゆっくりと、本当にゆっくりと影のように
沁み(いず)る最強の巨人。
 絶望の中の諧謔だと一笑に付すコトかもしれない、
宛ら超巨大なスタンドのような、
彼女の分身と呼んでも差し支えない漆黒の、
無数の枝と根が捻じり合わさって出来た
樹魂(じゅごん)の巨人』 
単純に言葉だけで表すなら、顕現した紅世の王が10体以上、
しかしソレが慰めにも何にもなっていないコトはお解りだろう。
 コレは『愛染双真』ティリエルが発動させた術式、
真王ファフニールにとっては奥義でも禁儀でも切り札でもなんでもない!
 破滅と絶望の(まにま)を、箱舟(ふね)は行く。
 後戻りは出来ない、逃げ道もない、
ただただ運命の車輪が、音も無く回るのみ。
 残酷に、無情に、救いもなく。
 苦々(くるくる)狂々(くるくる)と。


← To Be Continued……
















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