第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#53
FAREWELL CAUSATION]V〜Titanic Catastrophe〜
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まる条が周囲を取り巻いていく。
「ちょっと! 防御はいいけどこれじゃ動けない!」
「“エメラルド・スプラッシュ” で撃ち抜こうにも距離があり過ぎます!
パワー不足で弾かれるか、そもそも命中るかどうか解りません!」
「並び!」
「委 (細) 承 (知)!」
旧知と新知の者が叫ぶ声を二つの声が打ち消す。
リボンで出来た鉄壁の繭から、宛ら小型の砦といった風情の底部から
尖頭状の捻杭が大地に、
無数に走った亀裂に打ち込まれその奥底で振動する。
然る後――
真王に穿たれた無数の暗孔から膨大な量の水流が噴き騰がり
周囲数qにも及ぶ広域を河川も巻き込んで氾濫させる。
『四 精 霊 の 幻 想 曲・水 公 主』
此れにて総出、捻杭を根元から折った砦は
激流を制する「箱舟」と成って空中から真下の軌道で
真王への進撃を継続する。
本来伸ばしたリボンで地下水を沸騰(震盪)させ(或いは水道管を断ち切り)
その膨張圧で洪水を引き起こし「敵軍」を壊滅させる戦略技。
ソレが箱舟の運搬になってしまうのは法儀の遣い手として
遺憾な処だが、相手が数多の師団ではなく真王ならば宜為る哉。
「花京院殿、箱舟の守備と方向柁を願うのであります。
「外」に出られるのはいま貴方だけなのであります」
申し訳程度の隙間は空いているが「前方」のみ、
本体が箱舟に乗り込んでいるのでソレに引っ張られるカタチで外に浮いている
『法 皇』が能力としては適任。
「エメラルド・スプラッシュッ! 了解です」
既に役割を理解していた中性の少年が流法を放つと同時に
淑女へ頷く。
なんとなく面白くない美女の直上で、放たれた翡翠の結晶弾が後方斜めの軌道で
激流に着弾、射出の推進と反動で大きくバウンドした箱舟の背後に
巨大な漆黒の刃が次々と突き立ち河面を裂く。
「命中ったんないわよ! 長所と短所は表裏一体!
流れる木の葉を矢で狙ってるようなものッ!」
実際はそこまで有利ではないのだが、
しかし美女の感奮に水を差さないよう花京院は
スタンドの触手や触脚を伸ばして微妙に進路を変えながら
障害物、降り注ぐ刃を避けていく。
絶え間無い残虐の嵐が幾分弱くなってきている、
シャナ、ポルナレフの奮戦も無論有るだろうが
元々が「枝」 、ソレを刃に変質させたモノなので
どうしても蛇行した機動を執らざる負えず
下から接近すればするほどその数は減り命中精度も落ちてくる。
ましてや相手は遊興に耽る絶対者、
もしかしたらその攻撃を直下に
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