第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#53
FAREWELL CAUSATION]V〜Titanic Catastrophe〜
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る漆黒の刃、斬攪の嵐。
振り向いていれば生命は亡かっただろう。
真王と一番最初に対峙したのはこの少女、
その時に受けた存在の暗視。
ならば相手の精神に干渉して幻覚を魅せるコトも可能なはず。
そして真王は私と戦っているのではなく“嘲笑っている”
だから背後からの攻撃なんて姑息な真似するわけがない。
この間0,2秒、“魔術師” の少女は『スタンド使い』としての
戦闘思考を獲得しつつ在った。
それ故の躊躇無き行動、停滞ではなく前方への連撃!
四方八方から襲い来る文字通りの刃林を、
少女はスタープラチナ顔負けの剣捌きで弾き返していく。
しかしその場へ留まるに在らず、その刃圏を徐々にではあるが
前方へと侵食していく。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラアアアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」
だが戯れとはいえ真王の攻撃、その数が多過ぎるのでスベテ弾き返す事は能わず、
纏った紅蓮の鳳鎧の右肩甲が砕け、
脇腹にも亀裂が走り精巧な装飾の入った目当ても
原型を無くしていく。
つまりソレほどまでに、守りを捨て全身全霊の「攻撃」でなければ
真王の刃嵐には抗しきれない。
だが窮地ではなくこの選択はベスト、
鎧は守って敗北から逃れるのではなく、
攻めて敵に勝利するためにこそ在る。
(私が護るから……! 全部受け止めるから……ッ!
行って皆! 後お願い!!)
以前の彼女ならば、例えフレイムヘイズと共闘した場合でも
相手は自分で仕留めようとしただろう。
このような「捨て石」とも呼べる決断はしない。
「シャナッッ!!」
承太郎以外ではより深い関わりを持つ者の声が、
その決断に感応し声を掛ける。
「――ッ!」
同時に周囲を取り巻く翡翠の円環、
それが打ち漏らさらざる負えない刃を弾き
鎧の損傷をガード、再生の時間も与える。
「ありがと!! 花京院!!」
気をつけてとまで口には出来ないが、
一瞥し穏やかな微笑を浮かべる風貌を想い浮かべ
斬撃の回転は向上がる。
「シャナが攻撃を引きつけてくれる御蔭で、
こっちは力を温存したまま近づけますね」
「並の宝具や自在法じゃとっくに粉々よ。
適材適所ってヤツだわ」
如何なる存在でも決して欠けず罅割れる事もない
紅世の妖魔刀、“贄殿遮那”
宛ら童子の夢想と見紛う(安易な)硬度だが、真王相手は
その頑強さが初めて無類の真価を発揮する。
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