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とある3年4組の卑怯者
109 目標(せかいいち)
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せよう!」
 橿田が言った。
「分かりました。では明日各クラスお願いします!」
 こうして解散した。

 ヒデじいは車で別荘に向かい、永沢の両親を迎えに来た。
「それでは、メアリーさん、本当に有り難うこざいました」
「エエ、お坊っちゃまにもヨロシクお願いいたします!」
 ヒデじいと永沢の両親はメアリーに別れを告げ、花輪家の別荘を後にした。
「ヒデさん、息子は大丈夫なんでしょうか!?」
 永沢の父が心配してヒデじいに聞いた。
「ええ、私も城ヶ崎さんのご家族から聞いたのですが、命は御無事との事でございます。先ずは息子さんのいる病院へ向かいましょう」
「はい、お願いします!」
 ヒデじいは永沢と城ヶ崎が入院している病院へと車を走らせた。病院に到着すると、二人は永沢の病室を受付から聞いた。そして病室に入った。そこには頭や左手などを包帯で巻かれた永沢がおり、その隣のベッドには右腕を三角巾で吊っている城ヶ崎がいた。
「お兄ちゃん!」
「君男!」
「父さん、母さん・・・」
「ごめんよ、こんな目に遭わせて・・・!やっぱりあんたも太郎もあたし達と一緒に連れて行くべきだったねえ・・・」
「いいよ、各務田は捕まったから、もう大丈夫だよ・・・」
「そうかい・・・」
「それから城ヶ崎が太郎を必死で守ってくれたんだ・・・」
 永沢は隣の城ヶ崎を指差した。
「そうだったの・・・」
 永沢の母は城ヶ崎のベッドに向かった。
「姫子ちゃん・・・」
「おばさん・・・」
「ごめんよ、ウチの家族の問題に巻き込んで・・・。太郎を守ってくれてありがとうね・・・」
 永沢の母は泣きながら城ヶ崎に詫び、礼をした。
「いいんです。太郎君が無事で私も安心してますから・・・。あ、太郎君は今ウチで預かっています」
「そうなの、ありがとうね・・・」
「母さん、泣きすぎだぞ。それじゃあ、城ヶ崎さんとこに行って太郎を引き取ろうか」
「そうだね。それじゃあ、また来るよ」
 永沢の両親は病室を出ていき、城ヶ崎家に行って太郎を引き取ったのだった。

 リリィは藤木の家を後にし、笹山と別れた後、藤木の事を考えた。せめて何か他にできる事がないか。帰りながらある事を思いついたのだった。

 翌日、藤木は山根に声を掛けられた。
「藤木君、やっぱり考えたけど、君が好きで不幸の手紙を出すなんて思えなかったよ。ごめんよ、絶交なんかして」
「山根君・・・」
「それから君は思い切りスケートで頑張ってくれよ!君にはスケートなら僕や僕の父さんの熱血さよりもずっと凄いからね!」
「う、うん、ありがとう、山根君!」
 やがて朝の会が始まった。丸尾が教壇に立った。
「皆さん、今日は藤木君に届いた不幸の手紙の犯人を捜したいと思います!そこで差出人を確かめるために一人ずつこの
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