第五十一話
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いっす。
「その、戦艦レ級ってのはなんなんだよ?」
木曾は、軽く溜め息をつきながら話し始めた。
「戦艦レ級。艦載機と戦艦の砲門と魚雷を積んで、近接戦もできる。装甲は推定だけど戦艦タ級の四倍、耐久は二倍、火力は当たり所が良ければ中破、悪かったら一発大破どころか、轟沈すら有り得る。報告では、戦艦武蔵が一発大破したとか。そんな化け物だよ。」
「……………………(絶句)。」
チートかよ。
俺は恐らく、顔を真っ青にしているだろう。
長門さんですら戦艦タを一発大破できねぇよ。
そんなのと肉薄しろと?
…………と言うか、春雨達、メチャクチャ危なくね?
俺は今の状況が(木曾の話がすべて本当だとして)ヤバイと言うことに気づいた。
「いいか、避けろよ?避ければまた戦えるからな?間違っても倒そうと思うなよ?死ぬぞ?」
…………あぁ。やっぱり、戦争してんだな俺達は。
なぜか、今更そんなことを自覚した。
「さてと、僕から言うことは…………絶対に帰ってきてくれ。腕が無いくらいなら、どうとでもできるから。」
提督は、泣き顔になっていた。心配そうな顔とも言える。
「…………いつもの口上では、出撃できないなこれは。」
長門さんはそう言うと、工廠から外へ出て行った。その後に全員が続く。
「…………連合艦隊、抜錨する!全員、生きて帰投するぞ!!」
長門さんがそう言うと、連合艦隊の十二人全員が海に飛び降りていった。
…………春雨、無事でいてくれ…………!
―海上―
…………さぁ、困った。
アタシは提督への報告を終えて、皆の方に振り返った。
プリンツと春雨は、顔を真っ青にして震えていた。どうやら、アタシが提督と通信している間に愛宕や望月から聴いたらしい。
アタシも最初は震えたな。どう考えても絶望だもん。
さてと、これからアタシらが出来ることと言えば…………大人しく待機が一番なんだけども…………。
…………ここは、プリンツの力を使おう。
「プリンツ、彩雲を飛ばしてくれ。アタシらのいるところとは反対側からレ級に近付ける感じで。」
プリンツは『始祖』の特長として、重巡洋艦の癖に艦載機を扱うことができる。これでたまたま載っけてた彩雲で偵察してしまおうという魂胆だ。こっちの位置がバレないように反対側から。
「り、了解!…………お願い!偵察機、発艦!」
プリンツはそう言いながら、彩雲
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