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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【IS外伝2】
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夕方、今日も一日を無事(?)に終えたヒルトは一人寮へと帰っていた。
訓練ばかりだと気が滅入る為、たまにはまるっと休みたいのが本音で久々に部屋でゴロゴロしようかなと考えていた時だった。
「あ、ヒルトくん一人なんだ?」
「え? あぁ、鏡さんか」
「む、その呼び方親しみ感じないから気軽にナギって呼んでほしいな」
振り向き答えた俺に対して、彼女は腰に手を当てて目尻を吊り上げていた。
「ん、なら……ナギで」
「そそ! それでいいのっ。 ……やばぁ、何か顔がニヤニヤしちゃうよ……」
くるりと後ろを向き、何やら自分の両頬に手を添えたナギに頭を傾げた俺。
「そういや、何か用があったんじゃないのか?」
「えぇ!? あ、えとえと……。 体操着取りに帰る途中でヒルトくん見つけて思わず声を掛けちゃった……。 なんてね♪」
小さく舌を出して微笑む彼女に笑みを返すと、更に頬を紅潮させたナギ。
「じゃ、じゃあまたね♪」
「あぁ、またな」
本当にただ声をかけただけらしく、駆け足でナギは去っていった。
慌ただしいなと思いつつ、俺は寮へと戻る道をまた歩き始める。
少し歩いた道の脇にあった古木、ナギがその木を見上げていたので声を掛けた。
「ナギ、どうしたんだ?」
「あ、ヒルトくん良かった! あのね、彼処の木の枝に子猫ちゃんが居るんだけど……何か降りられなくなっちゃったのかな、ずっとミィミィ鳴いてて……」
側に近付き、見上げると確かに子猫が木の枝に身を小さくして見下ろしていた。
確かにゃん太郎の子供だったはず――そう思っていると、ナギが俺の袖を引っ張り。
「ヒルトくんっ! 肩車して!」
「え!? 肩車!?」
「うん! 私じゃヒルトくん肩車出来ないから! ヒルトくんが登ってって思ったけど、怪我しちゃったら嫌だし!」
勢い凄まじく、あまり時間をかけても仕方ないと思い俺は鞄をその場に置いて屈んだ。
それを合図にナギは俺の肩に乗る――陸上部で鍛えられた彼女の太ももが俺の頬に当たり、その感触に嫌でも意識し始める。
立ち上がるや彼女は手を伸ばす――俺は太ももの感触に首筋や背中に当たる臀部の柔らかな感触、諸に煩悩が爆発しそうになっていた。
「ほら、怖くないからおいで?」
「みゃぁ……(ぷるぷる、怖いよぉ)」
「大丈夫、怖くないから……ね?」
状況は見えないが、もぞもぞと肩車中に動く彼女の感触は思春期真っ只中の俺には効果抜群だった。
暫く葛藤が続く中、ナギは子猫を抱き抱えたのか――。
「ヒルトくん、下ろしていいよっ」
「あ、あぁ」
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