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とある3年4組の卑怯者
108 栄光(みかえし)
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 鹿沼も協力の姿勢を見せる態度を示した。
「確かに俺も黙っていられないよ!」
 本郷も協力する事にした。
「うん、私も!」
「僕も協力するよ!」
 橿田も横須も手を貸すことに決めた。
「あ、ありがとうございます!手を組みましょう!」
「それでは先生達も協力します。ではこれまでにしましょう」
 こうして会議は終了となった。

 藤木は家に帰っていた。そして今日の揉め事を回顧していた。そしてそれでも認められないなら世界一になってやると考えた。その時、チャイムが鳴り、誰だろうと玄関のドアを開けた。
「やあ、藤木君」
「長山君、ケン太君・・・?」
 長山とケン太だった。
「俺達、藤木君の事が気になって来たんだ。不幸の手紙まだ残っているかい?」
「あ、うん・・・」
「誰から来たのかは分からないのかい?」
「うん、差出人の名前がなかったんだ」
「そうか、なら手紙の字を見て誰が送ったのか検証してみよう!」
 長山が提案した。藤木は二人を中に入れ、手紙を見せた。
「年賀状はあるかい?」
「うん」
 藤木は自分宛ての年賀状を持ってきて、それぞれの差出人の字と手紙の字を照合していった。

 リリィは母親に藤木の事を話した。
「昨日ね、藤木君、氷滑(スケート)の大会に出てたんだって。それで、金賞獲ったの」
「え、藤木君が?凄いじゃない」
「うん、私も驚いたわ。それにやっぱり私、藤木君が好きで不幸の手紙出すなんてやっぱり思えないわ・・・」
「そう・・・。リリィ、明日でも藤木君に会いに行って謝ったらどう?」
「そうね、そうするわ」
 リリィは藤木がスケートの大会に出ていた事を見直した。どうしても藤木は好きで卑怯な事をするようには見えなかった。もし本当に悪い人ならばなぜ彼を自分の別荘や高山への旅行に誘ったのか。なぜ彼は学級文庫に置く本を探す事を手伝ってくれたのか。なぜ自分が上級生の女子や隣町の親分から襲われている所を必死で助けてくれたのか。リリィは藤木を責めた事を反省した。

 丸尾は会議の後、各クラスの学級委員達と共にどうするべきか考えていた。
「どうすればこの問題は解決できるのでしょうか?」
「そうだね、そうだ、4組にも不幸の手紙が来たんだよね?」
 橿田が聞いた。
「はい、藤木君の所に」
「実は僕のクラスの草野君の所にも来たんだよ。差出人無しでね」
 鹿沼も答えた。
「ええ!?3組にもですか!」
「1組にも平住さんの所に来たんだ。となると、手紙にあるように四人に出されたみたいだね」
 本郷も告白した。
「成る程、手紙に書いてあるように四人に出されましたか。横須君、2組には来ましたか?」
 丸尾は横須に聞いた。
「いいや、ウチのクラスには来てないよ」
「そうですか。なら出された人に手紙を
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