108 栄光(みかえし)
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いだろ!!」
藤木はビクビクしながらも自慢げに言った。
「何調子に乗ってんだよ!お祝いでも期待してんのか!?」
「やっちまおうぜ、こんな卑怯者!!」
男子達が藤木に襲い掛かろうとした。笹山は我慢ができず、「やめてーーー!!!」と大声を出してしまった。
「藤木君の事そんなに責めて何になるの!?藤木君は大会に出てて気付かなかったんだからもう仕方ないじゃない!!」
「何言ってんだよ!そんなに藤木を庇うんなら笹山は藤木の事が好きなのか!?」
笹山は三沢の言葉に動揺した。しかし、怯んではならないと言葉を続けた。
「そんな事今関係ないわよ!藤木は不幸の手紙の事で責められた見返しのために大会に出たのよ!!少しは凄いって見直せないの!?」
そして笹山は怒りの矛先を皆に拡げた。
「皆もそうよ!藤木君が不幸の手紙出したからっていつまでも藤木君を独りぼっちにさせるなんて酷いわ!!大体藤木君をそうさせたのは藤木君に手紙を出した人がいるからでしょ!!どうして誰もその人を突き止めようとしないの!?藤木君を責めただけでまだ解決してないじゃない!!」
皆が黙り込んだ。みぎわと冬田は以前藤木と遭遇した時に共にいて藤木を庇っていた女子の言葉を思い出した。
「それに藤木君だってもう反省しているし、今日だって藤木君を皆で責めれば永沢君や城ヶ崎さんの退院が早くなるの!?違うでしょ!!」
(笹山さん・・・)
藤木は笹山が必死で庇ってくれている事に涙が溢れた。
「ちっ、ああ、悪かったな!」
男子達は藤木から離れた。リリィは笹山の言葉が身に染みていた。
(そうだったわ!!藤木君の所に不幸の手紙が送られたから藤木君は手紙を出したんだわ・・・!)
リリィは己の藤木への態度に罪悪感を感じた。
大野と杉山は共に帰っていた。
「笹山が藤木を庇うのも珍しいな」
「ああ、あいつもしかしたら藤木の事が相当気になってるかもな。藤木が堀内と喧嘩している時もあいつの味方してたし」
「杉山、お前よくそこまで考えるな」
「いや、まあ・・・」
「お前は山田に好かれてるくらいだから女心が分かるのかもな。まっ、俺はんな事興味ねえけどよ」
「おい、大野、からかうなよ!お前だって冬田に好かれてんじゃねえかよ!!」
杉山は照れくさく言った。
「や、やめろ!!」
大野は冬田の名を出されて顔が青ざめた。
丸尾は学年内でのクラスを問わない無差別ないじめが起きている事に驚きを隠せなかった。この問題を解決する事こそ学級委員の努めだと感じた。丸尾は立ち上がった。
「皆さま方、この問題について是非我々学級委員が解決したいと思います!」
他の学級委員達は少し驚いたが、自分らが動かなければこの問題は解決しないだろうと考えた。
「そうだね。丸尾君、僕も君に協力するよ
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