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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【IS外伝】
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 ある日の夕方、珍しく一人で歩くヒルトは、鼻唄を歌いながら寮へと帰る途中だった。

 気持ち良さそうに鼻唄を歌っていたその時だった、声を掛けられたのは。


「ひ、ヒルトくんっ」

「ん? ……おぉ、どうした静寐?」


 振り返ったヒルトの視界に入ったのは鷹月静寐だった。

 僅かに頬を紅潮させ、少し乱れた髪を手で解きながら――。


「そ、その……良かったら一緒に帰らない……?」

「ん? 勿論良いぞ? っても寮までそれほど時間が掛からないが良いのか?」

「あ、えと……で、出来れば少し歩いてからとか……駄目、かな……?」


 基本敬語の彼女が僅かに碎けた言葉で告げる、軽くヒルトの顔を覗き込む様に上目で見上げてきた。


「じゃあ、公園側から帰ろうか?」

「あ、ありがとうヒルトくん♪ ……凄く、嬉しいな……」


 最後の言葉は静寐自身、ヒルトに聞こえないように呟くのだがヒルトの耳には届いていて、小さく微笑を溢す。


「じゃあ帰宅デートって事で戻りますか」

「あ……ぅ、ぅん」


 ヒルトから出たデートという言葉に俯き、更に紅潮させた静寐。

 ヒルトは歩幅を彼女に合わせてゆっくりと公園方面へと歩いていった。

 学園内にある公園は軽く運動するのにも向いていて、軽く休憩するためのベンチもある。

 外灯は淡く白い光を放ち、舗装された道を照らしていた。


「そういやこうやって二人になるのってあんまりなかったかな?」

「そ、そうだね。 ひ、ヒルトくんの周りって代表候補生達がいつも居るから」

「あぁ……基本いつも居るな。 居ないときもあるけどそういう時って基本国から何かのテストなり資料整理なりしてるからな、みんな」

「そうなんだ。 私は代表候補生じゃないから詳しくはわからないけど……大変そう」


 実際は大変だろう、雑誌撮影にインタビューといった芸能関係の活動も然り、学業にISだから過密といっても過言ではない。

 今は俺が言ってから極力撮影等は断っているらしいが――。


「あ、そうだ。 ヒルトくん、さっき鼻唄唄ってたけど……珍しいよね♪」

「あぁ、何と無くだけど唄いたくなってな。 歌が下手だから鼻唄なら問題ないし」

「そ、そうなんだ。 ……下手って、どんな感じに下手なの?」

「ん? どんな感じに下手って聞かれたら困るかな。 ……んと、まあこんな感じ。 はーばたいてー、負けそうでも逃げたりーしなーい♪ ……ってぐらい下手だけど」


 軽く一小節歌ったヒルトに、静寐は小さく頭を振ると。


「ヒルトくんは下手じゃないと思うよ? 寧ろ上手いと私は思うけど……」

「そうか? 中学の時男友達
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