第21話
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ですね?」
「無論―――帝国南部の治安維持は本要塞の主要任務の一つでもある。期待には沿えないだろうが……一応、話を聞かせてもらおうか?」
その後リィン達はクレイグ将軍に事情を説明した。
「―――結社に関する一連の状況は既にこちらでも把握している。―――だが、現時点で第四機甲師団が直接的な作戦行動を行う予定はない。たとえおぬしらの頼みであってもな。」
「父さん……」
「アランドール少佐の言葉通り……あくまで動向を見守るだけですか。」
「……腑に落ちないな。正規軍も、結社の人形兵器を野放しにしていいわけないよね?」
クレイグ将軍の答えを聞いたエリオットは複雑そうな表情をし、ラウラは真剣な表情でクレイグ将軍を見つめ、フィーは真剣な表情でクレイグ将軍に問いかけた。
「……ここに来るまでの間、その”意味”を考えていました。この要塞が備える戦力ならば結社の動きなど、それこそ半日足らずで片づけられるでしょう。にも関わらず、正規軍が頑なに動こうとしない本当の理由――――」
「あ………」
「……………」
「へえ?」
リィンの言葉を聞いたエリオットは呆け、ナイトハルト中佐が重々しい様子を纏って黙っている中レンは興味ありげな表情を浮かべた。
「正規軍―――いや、帝国政府は待っているんですね?今度こそ貴族勢力が音を上げるのを。」
「…………………」
「またえげつない事を考えたもんだねぇ、エレボニアの政府―――いや、”革新派”は。」
「貴族勢力にとってはまさに”泣きっ面に蜂”でしょうね。」
「ええ………しかも民達まで巻き込もうとするなんて、相当悪辣なやり方ですね。」
「1年半前の件で貴族勢力は相当衰退したのに、どうしてそこまでして貴族勢力を……」
リィンの推測を聞いたクレイグ将軍は否定することなく黙り込み、事情を察して呆れた表情で溜息を吐いたフォルデとレンの言葉にステラは頷き、セレーネは悲しそうな表情をし
「……そういう事か。なんとか存続しているとはいえ、領邦軍の規模は縮小の一方……そんな状況で”何か”が起きれば―――」
「”領邦軍とは名ばかり”……そんな主張が成り立つわけか。その存続と引き換えに”北方戦役”で自らの手を汚した准将達の功績すら打ち消す形で。」
「ひいては貴族勢力の存在意義すらみんなに、国民に疑問視させる……―――父さん、ナイトハルト中佐もそれでいいんですか……!?」
フィーやラウラに続くように帝国政府の狙いを口にしたエリオットはクレイグ将軍とナイトハルト中佐に問いかけた。
「………それは………」
「……わかっている。内戦では争ったが、領邦軍も本来、エレボニアの地を共に護る同胞―――窮地にあるのを見過ご
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