第21話
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フィーの指摘に対してエリオットは苦笑しながら答えた。
「デビューしたばかりですのに、すでに人気が出始めてるんですよね?去年のヘイムダルのコンクリートでは音楽院の在学中に優勝してかなり話題になったと聞いていますよ。」
「ほう、そうだったのか。」
「やるね、エリオット。」
「えへへ、僕なんてまだまだ駆け出しだと思うけど。でも……この巡業中にできるだけたくさんの人達に音楽の力を見せられたらいいな。去年の”北方戦役”あたりから、エレボニア全体が変な流れになりつつあるっていうか……」
ステラの話を聞いて自分に対して感心している様子のラウラとフィーの言葉に苦笑しながら答えたエリオットは気を取り直して真剣な表情を浮かべた。
「……うん、私も各地を巡る中で肌で感じている。ノーザンブリアの併合を称揚し、新興の大国であるクロスベルに加えて1年半前の戦争で敗戦した相手であるメンフィルをカルバードに代わる”宿敵”と見る流れ……正直言って”怖い”くらいだ。」
「ああ………これもきっと”計画外に起こった出来事”を修正させた”彼”の描いたシナリオなんだろう。」
ラウラの言葉に頷いたリィンは静かな表情で推測を口にした。
「お兄様……」
「……そなた……」
リィンが言っている人物が誰であるかを察していたセレーネは心配そうな表情で、ラウラは真剣な表情でリィンを見つめた。
「はは、悪い。気にしないでくれ。――――リグバルド要塞まであと半分くらいだな。とにかく、今は先を急ごう。」
「……了解。」
そしてリィン達は再びリグバルド要塞に向かい、時折襲い掛かってくる魔獣達を撃破しながらリグバルド要塞に到着し、要塞の近くまで来ると青年の将校がリィン達に声をかけた。
〜リグバルド要塞〜
「――君達、この要塞に何か用かい?」
「すみません、自分達は――――……あれ?その声、どこかで聞いた事があるような……?」
近づいてきた青年士官に名乗り上げようとしたリィンだったが青年士官の声に聞き覚えがある事に首を傾げ
「―――ああ、もしかして君はリィンか!?どうしてこんなところに!?」
「えっと……すまない、声に聞き覚えがあるのは確かなのだが貴方は誰なんだ?」
「なんだよ〜、俺の事を忘れちまったのかよ……まあ、俺は”Z組”程リィン達と頻繁に接していないし、あれから1年半も経っちまっているからな……って、おおっ!?よく見たら”Z組”の面々までいるじゃないか!?しかも”特務部隊”の面々まで!?ははっ、久しぶりだなあ!俺の事覚えてないか?」
リィンの問いかけに苦笑した青年士官だったがエリオット達に気づくと驚きの声を上げ、懐かしそうな様子でエリオット達に声をかけた。
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