第七幕その三
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「ジャック君にしてもね」
「カボチャの人形で」
「それでも普通にいるね」
「オズの国ですと」
「全てがそうなんだ」
このオズの国ではというのです。
「人間と精霊、動物の区別はそんなにないんだ」
「お伽の国だからですね」
「そうなんだよ」
「そうですか」
「うん、ただ僕もね」
カエルマンはふと思い出したみたいんい言いました、その言ったことは一体何についてかといいますと。
「ボタン=ブライトのことはね」
「人間でもですね」
「何故ああして神出鬼没なのか」
寝ている間に移動しているそのことはです。
「わからないよ」
「あれはどうしてなのか」
教授も首を傾げさせて言います。
「わからないんだ」
「調べている最中ですか」
「そうなんだ」
教授達にしてもというのです。
「学問的に面白いと思ってね」
「今調べていますか」
「そう、けれどね」
「まだよくわかっていないですか」
「そうなんだ」
実のところ、というのです。
「これがね」
「そうですか」
「しかしね」
「それをですね」
「何時かは彼のことも全て解明してみせるよ」
「学問的に研究をして」
「そうするよ」
こうお話するのでした、そうしたお話をしつつ一行は今回入った山を調べていきました。見ればとても果物が豊かな山で。
柿や山葡萄、野苺にアケビ等を採ってです。ドロシーは皆に言いました。
「今日はね」
「はい、山の果物でですね」
「ティータイムですね」
「そうするんですね」
「そうしましょう」
こう笑顔で言うのでした。
「お茶を出してね」
「柿がいいね」
トトはこの果物を見て尻尾を横にパタパタとさせています。
「凄く美味しそうだよ」
「そうよね」
恵梨香も笑顔で柿を見ています。
「この柿を食べながらね」
「今日はティータイムだね」
「今からね」
まさにと言うドロシーでした。
「楽しみましょう」
「さて、それじゃあ皆で」
トトはこう言ったところで、でした。ふとです、
お鼻をくんくんとさせてです、こう言ったのでした。
「あれっ、人間の匂いがするよ」
「私達とは別の?」
「うん、小さな男の子の匂いで」
くんくんとさせたまま言うのでした。
「これはボタンかな」
「ということは」
カエルマンはトトのその言葉を聞いてこう言いました。
「彼はまただね」
「うん、そうみたいだね」
「寝ている間に移動して」
「ここに来ているんだね」
「では近くを探そう」
カエルマンはあらたまった態度で提案しました。
「これからね」
「そうしようね」
「じゃああの子を見付けて起こして」
そしてと言ったのはドロシーでした。
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