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オズのトト
第七幕その二

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「妖精よね」
「はい、虹の妖精ですね」
「この世界にいる」
「そうでしたね」
「他にも沢山の妖精がいて」
「あの人達もそうなのね」
 日本の妖精達もというのです。
「そして神様もいるのよ」
「青龍や白虎がそうだね」
 トトはここでドロシーに言いました。
「あの四霊獣も」
「そうよ、精霊達を司る神様達よね」
「色や方角、自然に獣を司る」
「それぞれのね」
「その精霊の皆の神様である」
「それが四霊獣でオズのお空を飛んでいるフェニックスもね」
 あの偉大な火の鳥もというのです。
「神様なのよ」
「精霊達を司る」
「神様と精霊の区分はあまりない感じだね」
 教授は腕を組んで考える顔になってドロシーにお話しました。
「どうも」
「そうなんだね」
「うん、オズマもそうだね」
「神差かと思えることをすることも多いね」
「けれど精霊だね」
「そうだよね」
「そしてもっと言えば人間と精霊はどうかな」
 教授はトトにさらに尋ねました。
「そちらは」
「どう違うか」
「オズマ姫とドロシーは然程違うかい?」
「ううん、あまりね」
「そうだね」
「オズの国にいたらね」
「然程変わらないね」
「僕から見るとね」
「そう、少なくともオズの国においては」
 こう前置きしてお話した教授でした。
「神様と精霊、人間の区別はね」
「あまりないんだね」
「そう、キリスト教の神様もいるにしても」
「それでもなんだ」
「そうした神様は別にしてね」
「多くの神様と精霊、人間の区別は」
「あまりないよ」
 そうだというのです。
「実はね」
「そうなんだね」
「むしろね」
「むしろ?」
「違いは個性位のものだよ」
 その程度の違いだというのです。
「オズの国の精霊と人間は」
「妖怪さん達にしても」
「そう、動物も含めてね」
「そういえば僕達普通に喋ってるし」
「考えているね」
「心もあるよ」
 そちらもというのです。
「ちゃんとね」
「だからだよ」
「僕達それぞれの違いは個性でしかない」
「ほんのね」
「そうしたものなんだ」
「私だって虫ではないか」
「僕は蛙だしね」
 教授だけでなくカエルマンも笑って言ってきました。
「そう言ったらもう」
「皆同じだよ」
「かかしさんも樵さんも」
 恵梨香はオズの国の名士である彼等の名前を出しました。
「そういえば」
「そう、かかし君は最初からかかしだったね」
「そうでしたね」
「身体は人間じゃないね」
「樵さんはかつては人間の身体でしたが」
「今ではあの身体だよ」
 正真正銘のブリキの身体です。
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