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前世の知識があるベル君が竜具で頑張る話
ばんゆう
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呼ぶ。

「うおあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

槍で薙ぎ、剣で突き、魔石を割る。

特に狙いもせず、振り回される竜具は、その性能を遺憾無く発揮し、キラーアントの魔石を装甲諸とも切り裂く。

「僕は!僕は英雄になるんだ!
僕は!強くなるんだ!」

それだけを、たったそれだけの願いを胸に、ベルは目の前の敵を斬る。

それだけの、子供じみた願いで。

しかし、遂に捌ききれなくなった。

「ヴェルニー!」

風を起こし、大きく跳躍した。

「レイ・アドモス!」










「アイズ、見つけたか?」

「だめ。居ない」

「……一度ホームを見に行こう」

その頃、アイズとリヴェリアは豊饒の女主人周辺を探し終えていた。

しかしベルが見つからず、焦りを覚えていた。

ベルの容姿は優れているし、男、女どちらとも取れる。

その辺りの知識がないアイズはともかく、リヴェリアはかなり深刻に考えていた。






七階層

「パープルモス…」

毒の鱗粉を撒き散らす蛾型モンスター。

その毒に即効性は無いが、何度も浴びると毒状態になってしまう。

キラーアントを殲滅し、奥へと進んだベルの前に現れたのはそんな厄介なモンスターだった。

「黒弓」

パープルモスが鱗粉を散布できるのは自らの近くだけ。

なら、近づかなければいい。

弓を構え、射る。

彼は故郷で大抵の武器は使えるよう鍛練した。

外とは違い、ダンジョンは無風だ。

この距離で当てるのは容易い。

パープルモスに『三本』の矢が命中した。

「これって、『オレ』の影響だったのかなぁ…」

翅を食い破られ、揚力を維持出来なくなったパープルモスが墜落する。

「ヴァリツァイフ」

闇となって霧散した弓の変わりに、今度は鞭が握られた。

パープルモスにはあまり近付きたくないのだ。

だが、ヴェーダは使わない。

遠距離攻撃ができるが、ヴェーダは消耗が激しいのだ。

やがて、パープルモスが灰と化す。

「もっと…もっと先へ…」











オラリオでは、夜が明けようとしていた。

ベートも含めた幹部総出でベルの捜索を行っていたが、未だに見つからない。

彼等は一通りの捜索を終え、オラリオ中央広場…バベルの前で集合していた。

「フィンよ」

「ガレス?」

最後に来たガレス・ランドロックも収穫は無かった。

「これはもう、下しかないであろう?」

「ダンジョンか…」

「ロキ、ウサギ君は死んでないんだよね?」

とティオナがロキに確認した。

「ああ、死んど
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