第二十四話 -競技場無差別脅迫事件-
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、笑顔が怖いですよ…」
「恐い?そりゃあもちろん。怒ってるからね。君たちが子供で相手が拳銃も持っている脅迫犯だからってものあるけど。君たちは犯人に姿を見られている。その君たちが試合を見ずにうろちょろ動けば犯人は勘づくかもしれない。「俺達を探している」って。だから競技場内に戻るのは許可できないな」
「で、でも「かもしれない」ですし僕たち子供ですよ?」
「そうだぞ、オレ達なら大丈夫だって!」
「そうよ、歩美たちなら大丈夫!」
子供たちは根拠のない自信で満ち溢れていた。自分は大丈夫、犯人を捕まえられる、と。
それを打ち砕くのは簡単だけど。小学一年生にすることじゃないよな。さてと。
「そう、大丈夫かもしれないし大丈夫じゃ無いかも知れない。俺は君たちの親から君たちの面倒を見るように頼まれたんだ。だから君たちをみすみす危ない目に合わせるようなことは見過ごせない。それに君たちは犯人とおそらく連絡をし合うのに通信機器を使う警官さん達の見分けがつかないでしょう?競技場内には58人もの私服警官がいるんだよ。だから君たちにはTV局の撮影した映像から怪しい人間がいないか見てほしいんだ。警察の人は競技場内の捜査で手一杯だからね。あ、半券は預からせてもらうよ」
その言葉に渋々といった表情で俺に半券を預けTV局の中継車の方に子供たちを歩いて行った。紅葉には3人の子たちのお目付け役を頼んだ。
「あら?あの子たちが入るのを止めたのね。……まあ私も考えが足りなかったわ」
「……まあ気付かなかったのなら仕方ないけど。子供はある程度大人が守ってやらなきゃすぐに危ないことをするからね。ねえ新ちゃん?」
「うっせ、オレを引き合いに出すな!」
「ははは、それじゃあ目暮警部の所に行きますか」
「そーいやオメー何書いてたんだ」
「ん?競技場内の拳銃の位置」
「は!?」
そんな言い合いをしながら、俺は目暮警部の所に行き、俺はさっき書いた見取り図を目暮警部に差し出した。貰った警部は何のことかわからなかったらしいので説明をした。見取り図には×マークが60。これが拳銃の位置。うち2つは犯人のもので一つはボールを撃った拳銃でこれは犯人が置いて犯人は所持していないもの。そしてもう一つは電話してきた人間の声を金子さんの携帯から漏れた物と競技場内から電話しているものとを照らし合わせて判明したもう一人が持っている拳銃だ。その人はバックスタンド前から撮影しているカメラマンだった。他に共犯がいないかということを知りたかったので私服警官の数を聞いてみると、58人と犯人を抜かした拳銃の数と一致したので犯人は二人組であるとなった。
最初は半信半疑だったが警官の配置、そして実際にごみ箱に捨てられた拳銃を回収できたことから信憑性がましたようで、ハーフタイムになった瞬間に事件は解決した。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ