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名探偵と料理人
第二十四話 -競技場無差別脅迫事件-
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たんだからよ!」
「嫌よ。私は付き添いで来たの。それにもしTVにでも撮られたりしたら幼少時から組織にいた私は奴らに気付かれてしまう……っちょっと!」

新ちゃんは哀ちゃんの付けていた眼鏡……多分サングラスか?を外して自分の被っていた帽子を彼女に被せて強引に手すりに引きずり、観戦に戻った。…しかしTVねえ。俺らが座っているのはメインスタンド。向かい側(バックスタンド側)にはピッチ内にある心音と機械音からしてカメラは一台しかないみたいだし彼女が恐れているようなことは無いだろう。俺も一応カメラは気にしないとね。

「ありゃまあ、新一君も大胆というか強引というか」
「それが彼のいい所さ。それに目まぐるしくボールが入れ替わるねえ。あ、また盗られた」
「ウチは右に左に追うのが目まぐるしくて疲れてしまいそうや。それにこの歓声も。最近耳が冴えるようになって長時間はつらくなりそうや。それにしても子供たちは……哀ちゃん以外は楽しそうやな。新一君もあない興奮して」
「新ちゃん、サッカー小僧だからね」

試合はしばらく膠着状態が続いた。新ちゃんと哀ちゃんはその間になにかを……ああ、小さくなってからの生活について話をしているようだった。それにしても「84歳」って。明美さんが25歳って言ってたしその年齢はあり得んでしょうに。新ちゃんも明美さんに会ってるし、その妹の哀ちゃんがその年齢はあり得ないって気づきなよ……!?
――――パスッ!

「「え!?」」

新ちゃんと哀ちゃんが同時に声を上げた。どうやら哀ちゃんが被っていた帽子がグラウンドに落ちてしまい下を向いていたため目撃したようだ。……サッカーボールが射撃されたのを。俺は撃った男の捕縛に動きたかったがその前に新ちゃんがグラウンドに降りてしまった。……仕方ない。

「ちょっと龍斗!?」

俺も新ちゃん同様スタンドから飛び降り新ちゃんと銃弾の発射地点の射線から彼を隠すように体を挟んだ。男の匂いは覚えたしそいつは離れているが新ちゃんの行動に気付いてまた戻ってくるかも分からないので盾になるつもりだ。

「た、龍斗!?」
「まったく、第2射があるかもしれないのに無茶な行動しないの。おかげで取り押さえに動こうとしたのに新ちゃんの盾をせざるを得なくなっちゃったじゃないか」
「あ。わ、わりい龍斗」
「まあいいさ。匂いで追跡は出来るから……あ、すみませんスタッフさんこの子は俺が上に上げますので!……ほら、俺の体でスタッフからは影になってるからさっさと銃弾抉り出して!」
「わ、わかった!」

その後、男は戻ってくることなく俺はスタッフが拾ってくれた帽子を受け取った。新ちゃんも銃弾の回収を終えたようだったので彼を抱えてスタンドにジャンプした。

「龍斗おにいさん、すっごいジャンプ!」「すげえぜ!」「…
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