暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
第二十三話 -浪花の連続殺人事件-
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やろ!……龍斗には悪いけどおまえなら郷司ハンも無下にでけへんと思うからのう。なんせ世界一の称号を持つ男や。そんな男の訪問を断ったっとなったら……」
「大阪界隈での彼の評判に関わるってことね。下手すれば次の議員選にすら影響するかもしれない…こういう使われ方はされたくないんだけどねえ。今回だけだよ?無茶しないようにお目付け役も兼ねようかな?」
「お、おう。お手柔らかに頼むわ。ほな行ってくるで。おっちゃんたちは和葉にオレんち聞いて先待っててな!」
「あ、平次!龍斗君が一緒やから平気やと思うけどお守りちゃんと持ってる?」
「ああ、持ってるで!心配するな」

そう平ちゃんは返し、俺達四人はパトカーに向かった。










「ねえ、お守りって何のこと?」
「ウチが平次に上げたお守りのことや。いっつも平次の命を守ってくれとるな」
「命を守るって随分と大げさな……」
「大げさちゃうよ。平次があのお守り忘れて出た剣道の大会で大けがしたんやから!この世に二つしかない大事なお守りや!」
「この世に二つ?」
「せやせや。さっきの「鉄のクサリ」のかけら、ウチのお守りだけやのうて、平次のお守りにもこっそり入れててん。……ってあんたには関係ない話やな」
「そ、そうだね」

この娘、なんか私に当たりが強いなあ。服部君と一緒で龍斗君と小さい時からのつきあいなんだから悪い子じゃないと思うし、仲良くしたいんだけどな。話題は……話題、そうだ!

「ね、ねえ。龍斗君とは幼馴染みなんでしょう?大阪ではどんな感じだったの?」
「そういえばあんたも龍斗君と幼馴染やっていうとったね。うーん、ウチたが会うんのはほとんど京都の方やったけど……ウチも含めて世話かけとったな。ウチ一人っ子やけどお兄ちゃんってあんな感じなんやなっておもっとったよ」
「なんだ、そっちでも同じなんだ」
「せやの?ああ、そういえば一度大阪の平次ん家に遊びに来たことがあったんやった。そんときにある事件があってな」
「ある事件?」
「ウチらが7,8歳くらいやったかなぁ。平次が調子にのって平次のおとんの部屋にあった真剣を抜いたんや。そのころ剣道の大会で負け知らずやったから天狗になっとってな。いつもならそんなん止めに入る龍斗君も丁度席を外しとってそれで……」
「そ、それで?抜いただけじゃないの?」
「平次が抜いた刀を天井に突き上げてポーズをとったんよ。ウチは正面からそれを見て「恰好ええでー、平次ィ!」なんて煽ってしもてな。まあその時は無邪気に騒いどったんやけど。子供が鉄の棒を掲げ続けてバランスなんかとれるわけもなくて。バランス崩して真正面にいるウチに丁度唐竹割りになるようにふりおろしてしもうたんや」
「え?」「おいおい、そんなのヘタしたら……」
「そう、死んどった。もう
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