第二十三話 -浪花の連続殺人事件-
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―――ヒュオ……ドシャ!
外の人たちが上を見上げ、何かを見て一斉にパトカーから離れたと思ったらパトカーの前のルーフ部分に人が落ちてきた。車の中はフロントガラス越しに男性の後頭部が見えている。どうやら車と平行に倒れているようだ。
「「きゃあああああああーーーー!!」」
し、しまった。死体が落ちてきたから反射的に聴覚を広げていたら二人の悲鳴が……!至近でしかも車という密閉空間だったからダメージが…
「お、おいなんなんだこの男は!」
「知らんがな!突然上から落ちてきよった!」
「平ちゃん、上……」
「な、なんや龍斗耳なんか押さえよってからに…上?」
「誰かいるよ!」
俺の指摘に屋上に人がいることを確認した新ちゃんと平ちゃんは現場保存と警察を呼ぶことを指示し屋上に向かっていった。
しばらくして屋上から二人は一人の男性を伴って降りてきた。屋上にいたこの人はこのビルで茶店をやっている人で状況的に事件の犯人ではないそうだ。平ちゃんは死体の胸に財布を貫いて刺さっているナイフを見て例の事件の続きで、人通りのあるところのパトカーの上に死体を落としたのは見せしめなんじゃないかと言っていた。野次馬の中に死体を見て青ざめて逃げていく女性がいた。その女性は車で逃げてしまったが新ちゃんが車の番号を覚えていたようでとにかく警察署で話をすることになった。
―――大阪府警 東尻署―――
「れ、連続殺人?さっき落ちてきた男がその三件目ってことなのか!?」
「そうや!三件ともナイフが財布を突き抜けて胸に刺さっとった。わざわざ絞殺した後でな…」
「財布?」
「その人ら、お金がらみで恨まれとったんとちゃう?」
「それがそうとは言えんのや」
そう言って、平ちゃんはこれまでの被害者について語った。一人目はコンビニ店長の長尾英敏、二人目は小さな居酒屋の女将の西口多代、三人目でさっきパトカーに落ちてきた人がタクシー運転手の野安和人。確かに小金持ちくらいにはなりそうだが殺されるほどとは思えない。しかも何一つつながりを見つけられていないそうだ。
「平次君、あったで!被害者の共通点!!」
「ホ、ホンマか!?坂田ハン!」
そう言った坂田さんが持ってきたDVDには府議会議員の郷司宗太郎が6年前にかけられた汚職疑惑の際の映像だった。そこに映っていたのは一人目と三人目の犠牲者の姿だった。
警察の方は一連の事件は郷司氏が関係していると見て、すでに動いているとのことだった。小五郎さんいわく、彼は警察嫌いで会うだけでも骨との事。
「ほんなら坂田ハン、オレらもそこに行ってみよか?あ、龍斗も出来れば来てほしいんやけど」
「おいおい、んなことは警察に任せておけば…」
「アホ!あんたらの大阪観光をメチャクチャにしよった犯人をほっとけるわけない
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