第二十三話 -浪花の連続殺人事件-
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お客さん?」
そう、彼が手配をしていたのはパトカーだった。しかもキレーな新車。小五郎さんも文句を言っていたが平ちゃんは何が気に食わないのか分からない様子だった。
「何か、連行されているみたいで恥ずかしいかなって…」
「そんなん、悪いことしてへんのやから堂々としてたらええんや堂々と」
(ハハハ……)
「…っと龍斗?何でおまえさんはフード被っとるんや?マジもんの連行中の犯罪者みたいになっとるで?」
そう、俺は来ていたパーカーのフードを被り、横からも前からも顔が見えないようにして周囲を警戒していた。
「……いやあのね?平ちゃん。探偵の小五郎さんやその家族、高校生探偵で知られている平ちゃんはともかく俺は警察に血縁のある関係者はいないからね。一応、世界大会もあるしゴシップネタになりそうだから隠れておこうと。撮られても説明すれば泥沼になりそうだし」
「あー。そういや下手したらこん中で一番の有名人やったな。そこまで気がまわらへんかったわ。龍斗には悪いがこのままでええか?」
「囃し立てる連中のほうが悪いからね(平ちゃんのチョイスも悪い気もするけど)。警戒しているから問題はないよ。それよりツアー案内を頼むよ?ガイドさん」
「おっしゃ、まかせとき!」
そして俺達は平ちゃんのおすすめのうどん、たこ焼きを食べた。うん、美味しい。うどんの出汁の隠し味をうどん屋のオッチャンに言い当てたらそこからうどん談義が始まったりしてとても楽しかった。ん?蘭ちゃんの様子が…?
次はお好み焼きが良いと言うと、交通網の関係でかなり遠回りになるとのことだった。 そこで案内役の坂田さんが知っている店に急遽行く事になった。
「良かったね。近くにいいお店があって」
「そうだね、蘭ねーちゃん」
「ほんならオレ、ちょっとオカンに電話してくるよって。……おっちゃん、メシも忘れんといてな」
「え?」
「メシと一緒に食べんのか?」
「普通やんけ。お好み焼きはオカズやぞ?解説は任せた龍斗!」
そういうと平ちゃんは電話をしに行った。それじゃあまあ、解説というほどでもないけど。
「関西の方だと「お好み焼き定食」っていうのもあるくらいお好み焼きはオカズであるって考え方が他の地方より浸透しているんですよ。初めて食べる人はえ?ってなるんですけどタレがご飯とマッチしてて美味しいんです。まあお腹のすき具合でご飯ぬきにしたりするので一様には言えないですけどね…っと、おれもちょっとトイレ行ってきます」
俺はそう言って席を立った。『面白いね大阪って……』『だね』後ろでは新ちゃんと蘭ちゃんがそんなやり取りをしているのがかすかに聞こえた。
『ハハハハ……笑かしよんなこの女!』おや?トイレから出ると平ちゃんの陽気な笑い声が聞こえた。
「どうしたの?平ちゃん」
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