第八十一話 装甲擲弾兵名物ボウ倒し
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
守りながら相手の棒を倒すってやつだな」
「しかしギュンター、装甲擲弾兵名物って言ってるぞ」
「ナイトハルト、装甲擲弾兵名物ボウ倒しは違うモノだ」
「アントン、どう違うんだ?」
3人が話している側から、装甲擲弾兵が何やら色々な物を持ってきては、
校庭にセットを始めている。
「ナイトハルト、あれは何だ?」
「なんか、長細い箱だな」
「ああ、あれは連弩だな」
「アントン、連弩ってなんだ?」
「連弩とは機械式に連続で矢が撃てる弓だよ」
「あんな物セットしてどうするんだ?」
「だから、ボウ倒しだよ」
「棒倒しか?」
「いや、矢倒しだな」
「矢=ボウだ」
「矢で何を倒すんだい?」
「人間だよ」
「おい!アントン正気か?」
「正気も正気だよ」
「知っているのかアントン!」
【ボウ倒し】
【ゴールデンバウム王朝で流血帝と呼ばれた。第14代皇帝・アウグスト二世の時代に始められた、装甲擲弾兵の訓練方法。
流血を好んだ皇帝が装甲擲弾兵の強靱さを計る為に始めた物であり。
練兵場一帯に仕掛けられた、連弩から放たれるボウを避けながら走しりきる訓練方法である。
ジグザグに走るなどの方法を行わないと必ず当たり、又急所を狙う位置にボウが来る為、
多数の死傷者を発生させた。止血帝と呼ばれた。第15代皇帝・エーリッヒ二世により禁止されたが。
第17代皇帝・レオンハルト一世の時代に再度始まった。
しかし、過激な状態で死傷者が再度多発した為。
余り危険さに晴眼帝と呼ばれた。第23代皇帝・マクシミリアン・ヨーゼフ二世により禁止された。
一説によると死者の数は10万人を越えたとの話もある】
直、ボウとは本来、弓であるが勅書に書かれた文字が間違えていた為、
そのままボウ=矢と成ってしまっている。
現在の諺、【光陰矢のごとし】は、元々【教員矢のごとし】であり。
装甲擲弾兵の教官は矢の如く走り回り全く当たらない事を言ったことである。
それが転じて【光陰矢のごとし】という諺が生まれたのである。
【ミュンヒハウゼン出版刊 地獄の特訓装甲擲弾兵一代記】
「アントン、そんな恐ろしい儀式なのか?」
「ギュンター、そのとおりさ、しかし最近はしていないはずなんだがな?」
「恐ろしいな」
「まあ我々は真面目にしていれば大丈夫だよ、あれはお仕置きだからね」
「気の毒だな3号生も」
「ナイトハルト、あれは自業自得だよ」
「違いないな」
「教官が顰めっ面を始めたな、どやされるまえに真面目にやろう」
「真面目にやりますか」
フェルナー達が真面目に運動しているさなか、
装甲擲弾兵によって連弩は次々にセットされ、完璧なモノになっていった。
フレーゲル達は周りで起こる様子
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ