暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
第八話 -修学旅行、他色々-
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え。でも優作さんってもう気づいてるでしょう?俺が人外の力を持っていることを。優作さんになら信用できるし晒してもいいかなって常々思っていたので。両親は知っていることですし」
「私が気づいていたのは嗅覚についてだけなんだがね、耳もそこまでいいとは。因みにどこまで範囲が及ぶか聞いても?」
「……半径100kmです。音を拾っても情報の処理が追いつかないのでこれが限界です。ある特定の音若しくは発生源を追跡する場合は300km」
「東京をすっぽりカバーできるじゃないか……」

流石に常識的にありえないことだが、俺がうそを言っていないことを分かったんだろう。真剣な顔をして

「ありがとう、龍斗君。私の事をそこまで信頼してくれていて。君は頭の良い子だ。自分の秘密を話す事がどんなリスクがあるかを十分に承知の上だったんだろう?」
「ええ。でも。信頼…してますから」
「……ああ、しかし事実は小説より奇なりと言うが、こんなことが現実にあるんだね」
「世の中にはファンタジーなことなんてザラにありますよ。ただ、ファンタジーはファンタジーで解決されているから表に出ないだけですよ」
「そういう、ものなのかね。それでは先ほどの事件も?」
「ええ、硝煙のにおいがする人が一人。優作さんも事件が起こる前からわかってるでしょ?」
「まさか同じ事件を起こすとは思っていなかったがね。しかし、まったく嗅覚もファンタジーだね」

苦笑いしながら、俺に話しかける優作さん。ごめんなさい、一応の確認で体臭、電磁波、心音で確認させてもらってました。びっくりはしているけど嫌悪感なく受け入れてくれて。ありがとうございます。

「あら、龍斗君。どうしたのちょっと泣いてる?」
「え?あ、ああ雪が目に入ったんですよ。それでどうでしたか?成長記録は撮れましたか?」
「ええ、ばっちり!でも殺人事件が起きちゃって。ちょっと新ちゃんの様子を見てみるかな」

そういうと、有希子さんは双眼鏡を取出し下にいる新ちゃんを観察し始めた……優作さんも。いや、普通スキーに双眼鏡は持ってこないよね?

「あら、美人マダムと談笑中。全く誰に似たんだか」
「いや、あれは探偵の顔だよ」
「ふーん。で、あなたはこの事件は解けたのかしら?自称世界屈指の推理小説家さん?」
「それは愚問だよ。だが、しばらくは様子を見てみよう。若い奴らに任せてね」
「えー!?」
「龍斗君もそれでいいかい?」
「ええ。因みにあの美人マダムは俺の関西の方にいる幼馴染みのお母さんですよ。どうやら、その幼馴染みが自分と同じ探偵を志しているのを聞いてやる気を出したみたいですね」
「すっごーい、龍斗君!よく見えるね。こんな距離あるのに!それになんで言っていることがわかるの!!?」
「え、あ、いや……」
「彼はすごい視力の持ち主で
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