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三日月とミカヅキ
序章
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めましょう。」
「はい!・・・・はい?」
 あれ?今もしかしてとんでもないことを了承してしまったような気がする。
「やっせん〜♪やっせん〜♪」
 川内さんはスキップでも始めそうな勢いで演習場へと向かう。了承してしまった以上、仕方なくその後に続く。
(そう言えば、川内さんってこういう人でしたっけ・・・)
「三日月さぁ」
 川内先輩が突如振り返る。失礼なことを考えていたのがばれたのかと一瞬焦る?が、
「下手な考え休みに似たり、だよ。色々思うことはあると思うけどさ、そういうことは体を動かして吹き飛ばせば良いんだよ。」
 とだけ言うと、またやっせん〜♪やっせん〜♪と再びうれしそうに演習場に向かう。
「下手な考え休むに似たり・・・ですか。」
 確かに、こういう時は夜戦演習も良いのかもしれない・・・そう思った。

「と、なんで私は思ってしまったのでしょう」
「「ん?なんか言った〜?」」
「なんでもありません。」
 川内さんに無線で答えると、今度は音を拾われないように気をつけてため息をつく。
 確かに川内さんは「夜戦演習」と言っていた。でも、普通こういう自主的な訓練の場合は航行訓練や索敵の訓練で、少なくとも練習弾を用いた訓練は行わない。しかも・・・
「何でよりによって魚雷を使用した模擬戦なんですか・・・」
「「ん?なんか言った〜?」」
 油断していたらまた独り言をマイクが中途半端に拾ったらしい。
「なんでもありません」
 急いで返答しながら拾ってきた魚雷を魚雷発射管に再装填する。
 そう。魚雷は一本一本が貴重で、例え演習用だとしても撃った魚雷はきちんと回収しないといけなく、だからこそ魚雷発射訓練の際は的にできる限り当てようとするため雷撃の腕がより向上するといわれている。
 しかも、今やっているのは的に当てる訓練ではなく、模擬戦。魚雷はほとんど当たることがないため、いつも以上に探し回ることになる。
 私達の艦隊は、司令官が知り合いの神職関係者に頼んで、演習用魚雷発射管に演魚雷の場所が撃った本人表示されるような特殊な術式が組み込まれている?とはいえ、川内さん曰く「演習日和」な月明かりの少ない夜では魚雷を海中からひきあげるだけでも大変な作業になる。
 そして、もうこれで模擬戦四戦目である・・・。
「川内さん、用意できました。」
 何か言うだけ体力の無駄だとわかっているので素直に用意ができたことを伝え、開始の合図を待つ。
「「よし・・・じゃぁ、夜偵が合図を送るからそれにあわせ・・・ちょっと待って!」」
 突如、川内さんの声が険しくなる。
「「三日月、聞こえる?」」
「はい、聞こます。」
「「私の夜間偵察機が敵影らしきものを発見した。霧が濃くて詳しいことは確認できないみたい。」」
「どうしますか?」
「「演習装備
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