9 動き出す時
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翌日、凰蝶は何が起こったのかさっぱり思い出すことが出来なかった。
確か、一誠をつけて行って、廃倉庫の中に入って、変な怪物が現れて、その後の記憶がないのだ。
凰蝶は、ぼーっと天井を見つめた。
「いけない、学校だ」
凰蝶は飛び起き、着替え始めた。
「凰蝶ちゃん、起きてるか?」
一誠の声が扉の向こうから聞こえた。
「あ、は、はい、起きてます。今着替え中です」
凰蝶は大声で一誠に答えた。
「そっか、よかった。食事はみんな済んで先に行くから、凰蝶ちゃんはゆっくり学校に登校するといいよ」
一誠は、扉の前で安堵した。
「わかりました」
凰蝶の元気な声が聞こえてきた。
今まで、遅刻したことがない凰蝶には屈辱的なことではあったが、なぜこんなにも起きれなかったのか不思議で仕方がなかった。
(一体、あの後私はどうなったんだろう?)
凰蝶は食事もすることなく学校へ急いだ。
リアスは精力的に学園長の仕事をこなしていった。朱乃もリアスのサポートをきっかりこなし、昼休みとなった。
「ねぇ、リアス、私少し、凰蝶ちゃんの事を調べたいと思っているのだけれど」
朱乃がお茶を飲みながらリアスを見つめて言った。
「そうね、私も気にはなっていたのだけど、レイベルがフェニックス家から何か情報を持ってくるかもしれないし、仕事もあるし。朱乃がそういうのなら調べてもらえないかしら」
リアスと朱乃が食事しているところに子猫とゼノビアがやってきた。
「部長、私も凰蝶ちゃんの力の事を黒歌姉さまに聞いてみたいと思っています」
「私もイリナを通じてミカエル様に聞いてみます」
子猫もゼノビアも凰蝶の力に脅威を感じているようだった。
「ありがとう、みんな」
みんながみんな、凰蝶の力が後々脅威になるやもと思って奔走しようとしている。それがリアスには嬉しかった。
「一誠はどうしている?」
「一誠はまた、例の場所で覗きかな?」
ゼノビアは笑った。
「最低です」
子猫はそういうとため息をついた。
「まったく、一誠に困ったわね」
リアスもまた頭を抱えため息をついた。
「朱乃、後で一誠を学園長室まで呼んでおいてくれないかしら」
「一誠君にお仕置きですか?」
朱乃はリアスに微笑んだ。
「いや、一誠には凰蝶の様子を見ていてもらいたいのよ。アーシヤが一緒なら心配もないでしょ?」
「なるほど、わかりました」
朱乃は一つ頷いた。
その頃、レイベルは自分の実家に戻っていた。
レイベルの父母そして兄ライザーがレイベルの話に耳を傾けていた。
それは、凰蝶という少女が自分たちと同じような炎を使うこと。そして、その少女が自分たちとゆかりがあるのではないかという疑問をレイベルは3人に話していた。
「レイベルよ、よくお聞き
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