第14話 女の闘い
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と、燕はそれをワザとらしく困ったような顔を作っていた。
「それって試合って事?ごめんね、公式に載る様なモノは容易には受けられないんだ」
「西の武士娘は家名を大切にしていると聞いた事があるで候」
「むむ、親がうるさい系なんて、うちと同じかー」
折角の戦える美少女なのに勿体ないと言うが、
「でもね、稽古って事なら全然構わないよ?」
「うんうんそうそう、稽古だ稽古!稽古は実に良いな!」
稽古と言う概念があるからこそ、一月前程から百代の戦闘衝動は一定的に抑えられているのだから、感謝してもしきれないのが本音であるだろう。
そんな百代は誰に断り入れることなく燕と共に教室を出ていく。
「先生、良いんですか?」
「反対です、反対!」
百代がいなくなったことでまた騒ぎ出す男子生徒達だが、ゲイツは止めさせる気はまるでない。
「ダーイジョーブ、ただのレクリエーションだよぉー!」
寧ろ乗り気であった。
−Interlude−
3−F生徒は結局全員グラウンドに降りて来る羽目になった。
しかも反対していたはずの男子生徒達にレプリカの得物を全て運ばせると言う理不尽ぶりである。
降りて来た直後にゲイツからルーにも、趣旨を説明済みだ。
その状況が整ったレクリエーションで百代は上機嫌でやる気全開だが、燕は殺る気全開だ。
(フフ、遂にこの時が来たわ)
大義名分は揃った。最早ここで鏖殺しても何も問題あるまい――――と言う野心を除かせずに、表面上は挑戦者の様に殊勝に身構えている。
「では両者――――レ―――ッツ、ファッイッッ!!!」
ルーの開始の合図の直後、先に動いたのは当然百代。
「先ずは――――川神流、無双正拳突きィ!」
「とっ」
それを燕は最低限の動きで躱して、その突っ込んできた速度を利用して百代に一撃入れようとするが、寸前で躱されてしまう。
「情熱的なのに冷静さを失わないなんて、びっくりしたよ」
「その手のやり口をする奴ともう一月前以上組手して、慣れてきてるから、な!」
今度は鋭い蹴り技を繰り出すが、それも器用に躱される――――事は織り込み済み。躱された方向を既に読んでいたので、今度こそ一撃入れるべくまたも拳を繰り出すが、戦術の読み合いは燕の方が上な様で腕に乗る様に躱された上に今度こそ投げ飛ばされる。
直に復帰して燕に向くが、当人はいつの間にかに弓を持って自分を狙い定めている。
「っ!?」
「フッ」
にも拘らず、結果として驚く側とされる側が逆転する。
何時もの百代なら、ある程度の怪我を気にせず真正面から対戦相手の攻撃を打ち破るのだが、今は撃たれた弓矢の刃先を避けて手の甲で軽く
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