第14話 女の闘い
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、突っ込まずにはいられなかった。
「こんな美少女を寄って集って、失敬な話だ。ともあれ、今は目の前の美少女だ」
気分を切り替えて、
「私は川神百代、お友達から始めよう!」
手を差し出す。
それに表面上、笑顔で手を握り返す燕。
「節操なしだね。悪評は西にまで響いてるよ。私は松永燕、夜露死苦泥棒猫」
「な・・・・・・」
「「「「「???」」」」」
周囲は百代の反応に訝しんでいるが、当人は手を握った瞬間に驚いている様だ。
(コイツ、強い!この距離まで気が付いて初めて気づかされるなんて只者じゃ無い!――――この距離まで近づいてやっと気づいた事、士郎には黙ってよ)
義経への挑戦者の選別役を受けてから士郎との組手が無くなったので、指定された精神修業をサボりがちなのだ。
故に、相手の強さに気付けなかった=精神修業を怠っていると言う事で、士郎に怒られるのが嫌なのだ。もっと言えば、昨夜の件の報酬も無くなる可能性が出るのも嫌なようだ。
だから、その様な感情に囚われているのに気づけなかった。燕の先制攻撃――――殺意に。
(あれ?如何して気づかないの、この駄女、雌犬、泥棒猫は・・・!)
敢えて気付かせるために放った殺意だと言うのに、反応が無い事に不満を隠せない燕。
昨夕、紋白からの電話で注意を受けたばかりだと言うのにこれである。
まあ、理由があるので分からなくも無い。
例の襲撃事件があった日から、どれだけ夜遅くなろうとも士郎は百代を自宅の川神院まで送っているのだ。
しかもその間、客観的に見てイチャついている様な光景を見せつけられれば、焦っても仕方ないだろう。因みに例の如く、盗撮である。
だが実のところ、士郎は誰かに見られいる事に気付いている為、それが無くならないので百代を送るのを続けていると言った事情がある。
つまり、燕の行動は逆に百代に塩を送っているも同然なのだ。無論、そんな事情を知らないのでやはり焦って盗み見る。悪循環である。
そうとは知らない百代は、結局燕の殺意に気付く事なく期待を込めて聞く。
「――――松永とは・・・・・・あの松永で良いのか?」
「っ、う、うん。一応、武士娘としても活動してるよ?」
「聞いた事があるで候。西の武家に松永ありと」
「ああ、私も聞いた事がある。と言う事で燕、決闘を申し込む。私なりの歓迎だ」
百代は一見真面目そうな顔で教卓にワッペンを置く。
それを男子生徒達がまたも騒ぎ出す。
「いくらなんでも突然すぎる!最初からラスボスを出すクソゲーと一緒だ!」
「あ゛」
「ヒィ!?」
百代が視線で男子生徒達を黙らせている
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