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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第20話
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だ。シュバルツァー、アルフヘイム。どうやら昨日色々回ったみたいだが、何か心当たりはねぇのか?」

「それは………幾つか気になる場所があったのは確かです。ですが、どこも決め手となるような手掛かりがあったとはいえませんね。」

「そうですわよね………」

アガットの問いかけを聞いて昨日の特務活動で回った場所を思い返したリィンの言葉にセレーネは頷き

「そもそもサザ―ラント州ってのは手付かずの自然が多い土地だしなぁ。」

「怪しい場所をしらみ潰しにしたらキリがないと思う。」

「かと言って幾ら何でもアルトリザスに隣接しているからと言って、エレボニアよりも警戒が厳しいメンフィル帝国領(セントアーク)に潜伏しているとは思えないしなあ……」

「フン、そうか………テメェの方は何か心当たりはないのか?」

トヴァルとフィー、フォルデはそれぞれ意見を口にし、リィン達の話に頷いたアガットはレンに視線を向けて問いかけた。



「あら、そこでどうしてレンに話を振るのかしら?レンはリィンお兄さん達と違って、アルトリザス地方やパルム地方の様々な所を巡っていないわよ?」

「ハッ………テメェの事だから、大方サザ―ラントに限らずエレボニアの各地で情報収集をしているメンフィルの諜報部隊から様々な情報を手に入れているだろうが。テメェやシュバルツァー達の分校への派遣もメンフィルの思惑も間違いなく関係しているだろうしな。」

「……………」

「実際”アーベントタイム”の件をお姉様から知らされた時も、メンフィル帝国の諜報部隊による情報収集のお陰でしたものね……」

「リィンさん……セレーネさん……」

「確かにそうだね。英雄王と現メンフィル皇帝のリィンに対する”要請(オーダー)”が発動した早さも考えると、どう考えてもサザ―ラントにもメンフィルの諜報部隊がいる証拠だね。」

レンの問いかけに対して鼻を鳴らして答えたアガットの推測を聞いたリィンは目を伏せて静かな表情で黙り込み、セレーネが複雑そうな表情を浮かべている中、二人の様子をステラは心配そうな表情で見つめ、フィーは真剣な表情で答えてレンを見つめた。

「で、でも……どうしてメンフィルの諜報部隊がエレボニアに……内戦や”七日戦役”が終結して、既に1年半も経っているんだよ?」

「いや、むしろその逆であの件から”まだ1年半しか経っていない”。第一他国の情報を集める為に自国の諜報関係者を他国で情報収集に当たらせる事は国として当然の事だし、ましてやエレボニアは1年半前の件で衰退した”原因”の一つであるメンフィルに対して怨恨があり、その怨恨に対する”報復”をエレボニアが実行する可能性がある事をメンフィルが予想していない訳がないだろうしな。」

「それは………」

不安そう
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