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竜宮城に行けた男
竜宮城に行けた男
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けの存在ですわ。この島は七次元空間に存在するの。縦、横、高さ、時間の四次元時空連続体より三次元多い世界なの!」
「七次元的存在ですか? これで謎の一部は氷解しました。……話は変わり単純な質問で恐縮なのですが、ここではどうして若い美女達ばかりなのでしょうか? 貴女を筆頭に!」
「ここでは、超科学を今なお研究しておりますわ。我々の卵子で女子だけを試験管ベビーの状態で育成します。そして、そのベビーのわずかな細胞から超@PSを創り出し、ヘリウムが入った
 装置でほぼ永久保存できますの。また、DNAの全ての解析もできています。だから、高度な医療技術を利用して、私達は永遠に近い健康な生を享受できます。恐らく貴方様には理解できない技術で、若い美女のみがここで暮しています。貴方様を無能だと言っているのではないことを、どうかご理解くださいませ! 現在、超科学の基礎研究に、五千人がたずさわっております。ご覧の通り、青々と茂った森が多く存在しています。我々は環境を破壊しないで、常に一定の森林保存につとめておりますのよ。環境保存は、川、空気、土壌……などにも適用しております!」
 女王は、私が尋ねる内容をあらかじめ分かるような超能力を、身に付けているのであろうか? 
 それを聞いてみたい気もした。が、多分、答えられない【秘密】のような霊感がしたので、ある程度の超能力を持つ私は、それ以上の霊的な質問をしないことに決めたのだ。

 女王は少し歩いて風光明媚≪ふうこうめいび≫な山に、私を導いた。更に、女王は岩をかみながら流れ落ちる滝へと私を先導して、滝壺の水をひとすくいし私の口に含ませたのだ。飲んでみると、途端に、まるで体中が活性化され若返ったように、自信と体力が満ち溢れてきた。
「これが秘密を解くカギの一部分よ。ウフフフ」
 女王の笑った声は、まるで鈴を鳴らしたかのように、私の心に沁み≪しみ≫渡った。
 滝の水滴が及ばない芝生が敷き詰められた場所で、私にとって最も重要な疑問を口にだした。
「私は思念だけの存在なのに、ここでは、肉体を得られるのは納得ができないのですが?」
「貴方は、まだまだ多くの疑問の渦に巻き込まれたままでしょうねぇ。私にお答えできる範囲でお答えするわ。範囲を逸脱する質問には、いかな私でさえもお答えできない不文律が存在しています。どうか、ご了承してくださいね。さて、ここでは思惟が実存に先立つの。言い替えれば、肉体は思いの後に形づくられるの。つまり、貴方様が肉体を望んだ結果なのよ!」
 私は、女王の的確な答えに関心ばかりしていた。

 私は目前に置かれたご馳走に舌鼓を打ちながら、色鮮やかな花で編まれたレイをしたダンサー達が、ヒョウタンやイリイリと呼ばれる石のカスタネット、竹を使ったカラーアウと呼ばれる棒で、リズムをとったりするフラダンスを鑑賞
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