0302話『提督の選択』
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る事も忘れないでおくれよ?
無論、君は当然彼女達を無くさせないために反抗するだろう事も予想できる。だって家族だもんね。
深海棲艦と戦える戦力に人間が太刀打ちできるわけがない……結果、人間と艦娘との戦争が勃発するかもしれないかもね』
『そんな事は……』
『ない、なんて軽い言葉は言わないでおくれよ? 人類の歴史を紐解いてみればいつだって戦争をしてきた。戦える人間は率先して前線に送りこまれていきその尊い命をたくさん落としてきた。
艦娘だって死なないわけじゃない。お腹もすくし疲れもする。
人類と戦争を起こすという事は過去の日本のように補給路を断たれて戦えなくなってしまう艦娘だって出てくるだろう。艤装が使えないのなら人間の身体能力を多少上回っているとはいえ倒せないことは無いからね』
『…………』
私はそれで無言になるしかなかった。
少年の言う事は確かに的を得ていたのだから。
私も人類と戦争なんて御免被るししたくない。
『どうやら現実を見れたようだね。
それじゃそんな君にもう少しひどいもしものシナリオを教えてあげるよ』
『まだあるのか……?』
『うん。艦娘と人類との戦いならまだ艦娘側が勝つ見込みはあるだろうさ。
だけどね。深海棲艦を倒したら今度は国同士の艦娘を使用した醜い争いという事も起こるかもしれない』
『ッ!』
『そう、意思や心を持っているとはいえ艦娘は所詮は兵器というのは変わらない事実だ。だから各国は欲がくらんだが最後、艦娘同士で争わせてしまうかもしれないんだよ』
『そんな事は許されない! そんな事になったら沈んでいった艦娘達の恨み辛みが具現化してまた深海棲艦と同じかそれ以上の怪物を生み出してしまうかもしれない!』
私は思わずそう叫んだ。
深海棲艦は沈んでいった船の負の感情が具現化した存在だって私は思っているから、そんな事になったらまた繰り返してしまう。
人類同士の戦いで疲弊した中での新たな深海からの使者なんかが現れたらそれこそ今度こそ人類は滅ぼされてしまう……。
『……その通りだよ。そして君はおそらくそんな事にならないように色々と手を尽くして駆け回る事も想像するに難しくない。
だけど一人の意思と群集とが相手では勝ち目はとうに見えている。
君が暗殺されるかもしれないという事も想定しないといけないからね。ふぅ……やれやれだよ』
それで少年は深いため息を吐く。
『……―――まぁ、色々と君にもしもの事態を教えてあげたけどね。
話は戻すけど僕としては手遅れになる前に君は安全な世界に戻る事を進めたいんだよ。
もとの世界も紛争が各地で起きているだろうけど一般人でしかない君には遠い話かもしれないし、それに家族や友人たちとの平凡でもいいありきたりな普通の生活を送れるというのもそれはそれでありだと思
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