第六話
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第六話 魔王
博士は洋館と美女について話した、その話を聞いて小田切君も二匹も驚きを隠せないでお互いに話をした。
「まさかね」
「そんなのが来日するとか」
「想像もしなかったぜ」
「そうじゃな、しかしじゃ」
博士はその小田切君達にさらに話した。
「カーミラは実際におるのじゃよ」
「あの小説は実話を基にしていたんですね」
小田切君は博士の言葉を反芻しつつしみじみとした口調で言った。
「そんなことは露程も思っていませんでした」
「ドラキュラ伯爵もじゃぞ」
博士は小田切君達にこのあまりにも有名な吸血鬼もそうだと話した。
「実在人物じゃぞ」
「ワラキア、今のルーマニアの王様じゃなくて」
「あの伯爵がな」
「実在人物だったんですか」
「しかも生きておる、ヘルシング教授の子孫と戦っておるぞ」
「ううん、信じられないですが」
しかしだ、博士をよく知っている長い間助手として雇われているだけによく知っている小田切君はわかった。二匹の動物達も同じだ。
「博士は嘘は言われないですからね」
「そうじゃ、わしはマッドサイエンティストじゃが」
「嘘吐きじゃないですからね」
「だから嘘は言わぬ」
決してというのだ。
「それでじゃ」
「今言われてることもですね」
「本当のことじゃ、それでカーミラは男に興味はない」
「それ小説通りですね」
あのあまりにも有名な作品に書かれている通りだとだ、小田切君は思った。
「カーミラは本当にですね」
「美少女が大好きでな」
「美少女の血を吸うんですね」
「自分好みのな、尚吸血鬼は普通の食事も摂るぞ」
「あれっ、そうなんですか」
「そして昼も行動出来るからのう」
このことも話した博士だった。
「これは小説でもあったな」
「カーミラだけでなくドラキュラ伯爵もでしたね」
「昼でも遭う場合があるからのう、しかしな」
「男には興味がないんで」
「基本わし等は無関係じゃ、だからな」
「博士はカーミラとはですね」
「お互いに仕掛けぬから何もないわ」
衝突は起こらないというのだ。
「別のことをするぞ、異次元人との戦いじゃ」
「また異次元に行ったんでしたね」
「そうしたら怒って喧嘩を売ってきたからじゃ」
「やり返すんですね」
「わしは売られた喧嘩は買う主義じゃ」じゃ」
こう言って自ら異次元に行く装置を発明しそれで単身異次元に乗り込む博士だった。そうして異次元人達と激しい死闘を繰り広げてきてからこちらの世界に帰ってきたが博士は何一つ怪我を負ってはいなかった。
第六話 完
2017・12・14
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